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高校サッカー決勝進出の青森山田にチリ代表狙う異色の怪物サイドアタッカーあり……その名はバスケス・バイロン

1/13(日) 6:00配信

THE PAGE

 個の力で閉塞感を吹き飛ばした。味方へのパスは選択肢にない。迷うことなく縦へ仕掛ける。チリ国籍をもつ青森山田(青森)のサイドアタッカー、MFバスケス・バイロン(3年)が最大の武器と自負するドリブルが、尚志(福島)に傾いていた試合の流れを引き戻した。

 舞台を埼玉スタジアムに移して12日に行われた、第97回全国高校サッカー選手権の準決勝。前半26分に献上した先制点を取り返せないまま、後半10分に差しかかろうとしたときだった。自陣の左サイドから、MF檀崎竜孔(3年)が逆サイドへ正確無比なロングパスを開通させた。

 標的はすでに縦へ加速していたバスケス。ドリブルを駆使しながらペナルティーエリア内へ侵入していった「11番」は、左前にいたDFフォファナ・マリック(3年)をかわそうと右へ軌道を変える。直後に戻ってきたDF黒澤誓哉(3年)に背後から接触され、ピッチに転がされた。

「バイロンの仕掛けは、これまでも数多くのPKを生み出してきた。彼は縦にも中にも仕掛けられるテクニックをもっているので、その意味では相手が一番手こずると思う」

 青森山田の黒田剛監督(48)がニヤリと笑う。左利きのバイロンが右サイドから仕掛けるときは、左へコースを取るケースが多い。黒澤もそうした傾向をもとに、ゴール前へ戻ってきたのだろう。想定外の動きを見せられたからこそ勢い余って接触し、同点のPKを献上してしまった。

 実際にバスケスは縦へ抜け出してから、右足でシュートを放つ青写真を描いていた。1年前には思いつかなかった決断であり、それができなかったことが全国選手権を含めた公式戦の舞台に立てなかった理由でもあった。

「できないことがとにかく多かった。なのに、自分の課題に向き合えなかったんです」

 左足に搭載されたテクニックは超一級品だ。原点をさかのぼれば、いまも埼玉・東松山市内にある実家の目の前に広がる公園に行き着く。9歳のときに家族とともに来日したバスケスは、中学時代は東松山ペレーニアFCジュニアユースに所属。練習を終えると、その公園で日没までドリブルの個人練習に明け暮れた。

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最終更新:1/13(日) 6:00
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