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仏大統領宣言 「黄色いデモ」収拾へ国民討論会

1/14(月) 15:48配信

産経新聞

 【パリ=三井美奈】フランスのマクロン大統領は13日、国民への書簡を発表し、3月までかけて「国民討論会」を行うと宣言した。税や選挙制度について国民の意見に寄り添う姿勢を示すことで、「黄色いベスト」の抗議デモを収拾させる狙いがある。討論会は、大統領が経済改革を再び進められるかどうかを占う試金石となる。

 書簡で大統領は「できるだけ多くの国民に参加してほしい。国の将来に重要な問題を話し合うためだ」と訴えた。討論会の課題として(1)税と公共支出(2)行政サービスのあり方(3)環境政策(4)民主主義と国民参加-の4つの課題をあげた。

 民主主義をめぐっては、「国民が、意思が反映されていないと感じるのなら改正すべきだ」として、選挙制度の見直しを提案。現在は小選挙区制の下院選に比例代表制を取り入れる考えを示し、国民投票のあり方も検討課題にあげた。「黄色いベスト」運動が、「国民の発案で国民投票ができる仕組み」を要求していることに考慮した。

 憲法改正は大統領の公約。政府は昨年春、国会議員数の削減や比例制導入を目指すと表明していた。このため、討論会後の今夏、国民投票で憲法改正に踏み切るとの観測がでている。

 一方、書簡は経済改革について「公約は守る」と明言し、民活を進める方針を示した。書簡は14日付の仏紙に一斉に掲載された。

 大統領は15日、仏北部ウール県を訪問し、地元の自治体首長や住民との討論会を開始する予定。各地で開き、インターネットでも意見を募集する。

 討論会は昨年12月、大統領がテレビ演説で実施を発表した。だが、運営責任者だった元閣僚が公金から1万4700ユーロ(約180万円)の月収を得ていたことが発覚。「金持ち優遇政権の象徴」と批判を浴び、この責任者は先週、辞任を表明するなど、開始前から波乱含みだ。

 デモは年末、全国で3万2千人まで縮小したのが、年明けに勢いを回復し、12日には全国で8万4千人が参加した。パリで政府庁舎が襲撃されたり、各地で取材中のジャーナリストが袋だたきにあったりなど、政府や報道機関が標的になった。11日付フィガロ紙の世論調査では、「黄色いベスト」運動の支持率は60%と依然、高水準にある。

最終更新:1/14(月) 15:48
産経新聞

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