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インド、国境付近で大規模道路整備へ 「戦略的道路」44カ所、中国に対抗

1/14(月) 23:13配信

産経新聞

 【ニューデリー=森浩】インドが中国との国境沿いで、大規模な道路整備を計画していることが判明した。印PTI通信などが報じた。国境付近のインフラ整備を進めることで、中国を牽制する思惑がある。インドが実効支配し、中国も領有権を主張する北東部アルナチャルプラデシュ(AR)州でも整備を予定しており、中国が反発する可能性がある。

 インド中央公共事業局の報告書によると、道路建設が予定されているのは、中国と国境を接する北部ジャム・カシミール州、ヒマチャルプラデシュ州、ウッタラカンド州、北東部シッキム州、AR州の5州。計44カ所で「戦略的道路」と位置づけて大規模な道路整備に乗り出す方針で、軍事的な利用も視野に入れるもようだ。整備費用として2100億ルピー(約3200億円)を投じる。

 道路計画が浮上した背景には、一昨年夏に中印国境に近いドクラム地区で両国軍が2カ月半にわたって対峙したことがある。インド軍は山間部での部隊の展開速度などで、中国が先行する実態を目の当たりにしたとされる。印シンクタンク、中国問題研究所のツェリン・チョンゾム氏は「国境付近の道路整備案そのものは以前から存在したが、ドクラム地区での騒動が必要性を急浮上させた」と解説する。

 特に注目されるのが、AR州での道路計画だ。中国はAR州を「蔵南(南チベット)」と呼んで自国領土と主張。2016年9月には中国軍が実効支配線を越えて約45キロ侵入して数日駐留した経緯がある。チョンゾム氏は「AR州一帯は道路整備が遅れており、整備されれば戦略的な意義は大きい。中印関係は昨年4月の首脳会談以来、回復基調にあるが、領土問題となれば話は別だ」と話した。

 インドはこのほかにも、パキスタンと国境を接する北部パンジャブ州でも道路建設を計画しており、これまで脆弱だった国境付近での交通インフラ整備を一気に推進したい考えだ。

最終更新:1/15(火) 17:17
産経新聞

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