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何度も流産…精子のDNA異常も一因 研究

1/15(火) 15:40配信

The Telegraph

【記者:Sarah Knapton】
 女性が何度も流産を繰り返すのは、精子の欠陥が原因である可能性があるとの研究結果がこのほど発表された。妊娠後出産にまで至らないパートナーを持つ男性には、そうではない男性に比べて精子のDNA異常が多かったことが分かったという。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)医学部の研究チームは、3回以上続けて流産したパートナーを持つ男性50人の精液の質を調べた。その調査結果を、健康な妊娠期間を送ったパートナーを持つ男性の実験参加者60人の精液の健康状態と比較したところ、前者の男性らは精子のDNAの損傷が2倍多かった。

 論文主筆者であるチャンナ・ジャヤセナ(Channa Jayasena)博士は、「従来は、『習慣流産』の原因を調べる際に医師は女性の方に注目し、男性の健康や精液の健康状態については分析してこなかった」「しかし今回の研究によって、精液の健康状態が妊娠期間の健康状態を左右することを示す証拠が増えた」と述べ、「これまでの研究でも、胎児に酸素や栄養分を供給するのに重要な胎盤の形成に、精液が重要な役割を果たしていることが示されている」と付け加えた。

 英国における習慣流産は、妊娠20週未満における連続3回以上の流産と定義されているが、同国では、カップル50組のうち約1組が習慣流産を経験している。

 研究チームは、精液に見られる遺伝子損傷は、活性酸素として知られる分子が原因となっている可能性があるとみている。活性酸素は精液の中で形成され、細菌感染を防ぐ働きを持つが、高濃度になると場合によっては悪影響を及ぼす。研究結果からは、流産を経験したパートナーを持つ男性らの精液は、そうではない男性らに比べて活性酸素の量が4倍多かったことが判明した。

 研究チームは現在、活性酸素の発生を抑制して妊娠を継続させることを目指し、通常は有益な活性酸素を高濃度に至らしめている原因を突き止める調査を行っているが、活性酸素は何らかの細菌に感染した後に過剰発生するのではないかとの推測を立てている。

 ジャヤセナ博士は、「実験参加者の中に感染症を発症中の男性は一人もいなかったが、精子をつくる前立腺内に、以前にかかった感染症による細菌が残っていた可能性もある」「これが活性酸素の継続的な高濃度につながっているのかもしれない」と指摘し、「精子の健康状態が流産に重要な役割を果たしており、女性だけに原因があるわけではないということが分かるまでに長い年月がかかった」「われわれは今、習慣流産はカップル双方に原因があるとの認識を持っている。問題の原因を明確に突き止め、より確実に妊娠を健康な赤ちゃんの出産につなげる方法を探し出したい」と述べた。

 また、流産を経験したパートナーを持つ男性たちはそうではないグループより年齢がやや高い傾向があり、後者が平均30歳だったのに対し、前者は平均37歳だった。またやや太り過ぎの傾向もあった。

 この研究は、インペリアル・カレッジ・ヘルスケア・NHS・トラスト(Imperial College Healthcare NHS Trust)に属する英ロンドンのセント・メアリー病院(St Mary's Hospital)習慣流産外来(Recurrent Miscarriage Clinic)に通院していた患者のカップルを対象に実施された。論文は、雑誌「クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)」に掲載された。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:1/15(火) 15:42
The Telegraph

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