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軽井沢スキーバス事故から3年、業界どう変化 「安全競争」加速、事業者の淘汰も

1/15(火) 6:06配信

乗りものニュース

事故を起こした事業者は法令順守の意識があまりに低かった

 2016年1月15日未明、長野県軽井沢町の国道18号「碓氷バイパス」で、東京から長野県のスキー場へ向かっていた貸切バスが対向車線を越えて道路外に転落、15人が亡くなり、残る26人も重軽傷を負うという大事故が発生しました。当該バス事業者の運行管理体制があまりにずさんだったことから社会の大きな関心を集め、国土交通省やバス業界、バス車両メーカーらでは再発防止策の策定に追われました。

【写真】「安全なバス事業者」の証、車両のココに注目

 この事故は、貸切バス事業者のなかに、バス運行に関する様々な規制を守る気がまったくない者がいた、という事実をあらわにしました。規制の「実効性」が不十分、つまり規制があるにもかかわらず、一部の会社で守られていなかったのです。

 事故後の捜査と報道により、事故を起こしたバス事業者「イーエスピー」では、運転手の健康状態確認などのため義務とされている運行前の「点呼」が実施されていない、「運行指示書」に具体的なルートが記載されていないといった、最も初歩的なルールさえ守られていなかったことが明らかになっています。

 さらに、貸切バス事業者が旅行会社から受け取る運賃額について新しい制度が導入されていたにも関わらず、それを下回る額で旅行会社から受注していました。この「新運賃・料金制度」は、「旅行会社から受け取る運賃額が低額で、安全への取り組みを十分に行えない」というバス業界の声を受け導入されたものです。バス事業者が受け取る金額を上げるように制度を変えたのに、その制度さえ守っていなかったのは不可解です。大型バス運転経験の乏しい運転手を、十分な研修を経ずに乗客を乗せた「実車」乗務へ送り出した点も、常識的なバス事業者と比べ安全意識が驚くほど欠如していたと言わざるを得ません。

 貸切バス事業においては、運転手の運転時間や拘束時間、車両の整備管理など細かい規制が以前から決まっていましたし、過去の事故を受けさらに強化されていたにも関わらず、このバス事業者には、それらを守る意識がまったく欠けていたわけです。2000(平成14)年に貸切バス事業への新規参入が自由化された結果、中小事業者が増加し、そのなかには同社のように「どうせバレないだろう」として法令を守る気が足りない事業者もいたということです。

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最終更新:1/15(火) 10:54
乗りものニュース

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