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イギリス国民「こんなはずでは…」ユーロスターが止まり、牛乳は税関で腐る”最悪の事態”も

1/17(木) 15:20配信

AbemaTIMES

 2016年の国民投票で決定したイギリスのEU離脱(Brexit=ブレグジット)。3月29日が離脱の期日となっているが、英国議会下院は15日、政府とEUが合意した離脱合意案に歴史的大差でNOを突きつけた。

 28か国が加盟しているEU内では、人・物・資本・サービスの移動が原則自由となっているが、離脱後するイギリスとの間には新たなルールづくりが必要だ。そこでイギリス政府はEUと交渉、昨年11月、移行期間を3月から来年12月31日までとし、現在の貿易関係を維持すること、また、少なくとも5兆5千億円にのぼる違約金を支払うことなどが盛り込まれた離脱合意案がとりまとめられた。今回、下院が反発したのは、この合意案だ。

 21日までに代替案を提出しなければならなくなったメイ首相は、「下院は離脱案に反対という意思を明確にしたが、この投票結果は離脱に向けてどのようなサポートをしてくれるのか何も示していない」とコメント。この状況にEUのバルニエ交渉官は「イギリスは次のステップを我々に示す時がきた。我々も一致団結して合意に達したい」と話し、記者からの「メイ首相を信じているか?」という質問にはノーコメントを貫いた。EU側が離脱案の修正に応じる可能性は低いとみられており、このままでは「合意なき離脱」となる可能性がある。その場合、人・物・資本・サービスのすべての流れに大きな混乱が生じるのは必至だ。

 それは世界経済にも大きな影響を与える可能性がある。先週イギリスを訪問した安倍総理は「英国にもっと投資を行い、ともに経済成長をしていきたいと強く願っている。そのために“合意なき離脱“はぜひ回避してほしい」と話していた。

 EU離脱は一体どうなるのか。16日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、イギリス政治に詳しい慶應義塾大学法学部の細谷雄一教授に話を聞いた。

■“大陸とは一線を画したい“イギリスの国民性

 かつてウィンストン・チャーチル元首相は「We are with Europe, but not of it.(我々は欧州と共にあるが、その一部ではない)」と発言したという。“大陸とは一線を画したい、EU本部の指図は受けたくない“という考えとも通じる発想だ。

 細谷教授は「国民投票時、キャメロン首相も使っていた話だが、実はヨーロッパ史の中でイギリスは非常に重要な役割をたくさん担ってきたという点がある。ヒトラーがヨーロッパ大陸を支配した時にはまさにチャーチルが英雄として解放した。ナポレオン戦争でもウェリントン将軍がワーテルローの戦いを勝利に導いた。つまりイギリスは何度もヨーロッパを救ってきたし、ヨーロッパ人としても感謝の気持ちがある」と話す。

 「“ヨーロッパに旅行に行く“という言い方をするぐらい、イギリス人にとって、ヨーロッパは“外“だという感覚がある。一般的な感覚として“悪いものは常にヨーロッパから来る“というイメージを抱いていて、ヒトラーによる侵略や共産主義のように、偉大な英雄が外から来た敵を倒すというのが物語としてウケやすい。移民に対しても、それに対してイギリスを守らなければいけない、という感覚がある」。

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最終更新:1/17(木) 15:20
AbemaTIMES

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