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イギリス国民「こんなはずでは…」ユーロスターが止まり、牛乳は税関で腐る”最悪の事態”も

1/17(木) 15:20配信

AbemaTIMES

 2016年の国民投票では、EUからの離脱に賛成が52%、反対が48%だった。年齢層別にみると、年齢が高いほど離脱派が多く、若い世代ほど残留派が多い傾向を示したという。この結果投票に大きな影響を与えたと考えられているのが、移民の増加だ。

 たとえば離脱派に投票した人の割合が全国で最も高かった町・ボストンでは、移民がここ10年ほどで1700人から1万人近くにまで膨れ上がっている。移民によって、自分たちの仕事が失われてしまうのではないか、という危機感が、有権者を離脱派に向かわせたということだ。2001年にポルトガルからやってきたという男性は「“仕事を奪い、寄生虫のように学校を乗っ取り、公共サービスを使いまくっている“と、すべてを移民の責任にしているグループがある」と悲しげな様子で話していた。

 「イギリスはEUの他の国と比べて英語が使え、開放的な国なのでどんどん移民が入ってくる。そこでキャメロン首相は公約で移民の上限を10万人にする、としていたが、他国と比べても多い毎月30万人が入ってきていた。投資は目に見えないが、移民は目に見える。電車に乗っていても街を歩いていても目立ってしまう。本当は労働コストが安いところへと生産拠点が流出しているので、必ずしもすべてEUが原因ではないのに、“仕事がないのは外国に取られているからだ、EUに入っているからだ“となる」。

■政治家、メディアもEU叩きに加担

 また、国民投票の時期と前後するように、ヨーロッパではテロが頻発、議論に火をつける格好のテーマとなっていった。

 そうした空気を背景に、離脱派は移民がイギリス国民の雇用や福祉を圧迫していると主張。EUへの拠出金を減らすことで、週あたり約480億円を国民保険サービスなどの財源に充てることができると訴えた。また、離脱交渉はイギリスに有利な条件で進むだろうという楽観的な予測も出された。こうした離脱派の主張の中には、誤った情報や、政治家による“嘘“も含まれていた。離脱を強く主張していた前ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏が演説で訴えていた“週480億円“の3分の2はEUから戻ってくるものであり、実際の160億円程度だったのだ。

 「今のイギリスの対外貿易の48%はEU。外に出て世界と貿易するとしても、たとえば日中が合わせて8%。やはりこれだけ地理的にも近くて、文化的・歴史的にも結びついているので、外に出れば致命的なダメージになる。それでも中国や韓国に対する日本の報道と似ていて、理性的に見れば協力は必要だが、EUを叩けば叩くほど売れる。イギリスのメディアも経営上の理由からEUを汚く叩くことによって読者を広げるというようになっている。外に敵を見つける、というのはある意味では安上がりなアピールなのかもしれないし、グローバル化の中、“外国に依存しすぎず自立しろ“という声がどこの国でも出てくる。それは日本でも同じだ」。

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最終更新:1/17(木) 15:20
AbemaTIMES

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