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医者の家族がインフルエンザにかかったら エビデンスと情の戦い

1/18(金) 13:31配信

BuzzFeed Japan

末っ子の発熱から始まった騒動
仕事中に普段見慣れない電話番号から着信がありました。電話に出てみると末っ子の通う小学校の先生からでした。

「息子さんが午前中に発熱し、体温が38度を超えています。今、保健室で休んでいます。お母さんかお父さんが迎えに来て下さい」

ああ、この冬もとうとうインフルエンザウイルスが、我が家に襲来するのかとがっかりしてしまいました。穏やかな天気が続いた正月が過ぎ、1月2週目に入り、僕が住む神戸でもインフルエンザの流行が本格的になりました。

僕は、自分のクリニックだけでなく、週に3回神戸の総合病院でも勤務しています。インフルエンザが流行し始めると、病院の雰囲気が忙しくなるのでよく分かります。

また、地元の医師会からは、今どのような感染症が流行しているのかニュースが毎週届きます。流行の時期を自分なりに占い、そして、毎年子供に嫌がられながらも、インフルエンザのワクチンを本格的な流行の1ヶ月前くらいに注射しました。備えは万全のはずでした。
【寄稿:新城拓也・しんじょう医院院長】

インフルエンザ予防法のエビデンスは?

普通の人からは、「医者は病気にならない」とか、「医者の家族は病気になっても直ぐに治してもらえる」と思われている節がありますが、全くそのようなことはありません。どんな病気であっても、全て公平に容赦なく襲ってきます。

「風邪をひかないように」とか、「体調に気を付けて」とか、僕もよく皆さんに声をかけます。でも、どう考えても、科学とエビデンス(研究の結果で確かなこと)を駆使しても、風邪を予防する方法なんて余りないのです。その中で唯一効果が確かめられているのは、インフルエンザワクチンです。

きちんと手洗いすれば予防効果はありそうですが、マスクはほぼ無力です。

また、乳酸菌の販売に意欲的なキリンが自ら研究した結果を論文として発表した、乳酸菌(JCM5805)には、実際にヒトでインフルエンザの予防効果があると報告されています。

本当に効果があるのか利害関係のない人が、公平に調べた研究ではありません。

「効いてくれるはず」いや「効いてくれないと困る(だって自社製品が売れなくなるから)」と思っている人の研究の結果は、内心(なるほどこういう研究もあるのだ)という見方をしなくてはなりません。

つまり、実際にインフルエンザの予防になっているかはまだ十分に確証がありません。ましてや、コンビニやスーパーに売っている、あれやこれやは検証もされていません。

確かに副作用がないなら、何をしたって良いではないか、自分と自分の家族には何をしたって自分の責任で勝手ではないかという声が聞こえてきそうです。

しかし、自分の経験から、医学的な知識がきちんとある人に相談できない人ほど、根拠のないサプリメントや治療法に絡め取られてしまう、その結果、下手すれば病気を悪化させてしまう患者の悲劇を何度も目撃してきました。

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最終更新:1/18(金) 21:40
BuzzFeed Japan

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