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医者の家族がインフルエンザにかかったら エビデンスと情の戦い

1/18(金) 13:31配信

BuzzFeed Japan

結局、家族全員分の抗インフルエンザ薬を持ち帰ることに

抗インフルエンザ薬の予防投与は、副作用もありますが、一定の効果があることが報告されています。しかし、濃厚接触する家族内なら7人に1人、一般的には33人から50人に1人くらいは予防できる程度の効果しかありません。

ただし僕のように病弱な方と接する機会が多い医療者は予防投与をしてもよいと言われています。でも、毎日のようにインフルエンザの患者と接する医者は一体いつまで予防投与を続けたら良いのでしょうか。本来は、妻や他の子供達には予防投与の必要はありません。

しかし、自分だけ予防服用することにしては、妻にも他の息子達からも「いや、自分たちも十分インフルエンザに罹っている暇もないほど忙しいっす」と言われることは間違いない。つまらない諍いをするよりも、「5人分持って帰ろう。使わなければ使わないで、置いておけば良いのだから」と変に自分を納得させて家に帰りました。

真っ赤な顔をして、高熱でぐったりし、全く食事もできない子供をみて、相当胸が痛みました。「たかがインフルエンザ、毎年のこと」と言ったところで、何の慰めにもならない。

そして、こんなつらそうなのに、「痛い痛いインフルエンザの検査なんてしなくてよい。検査が陽性でも陰性でも結局治療は変わらないんだから」と豪語し子供を喜ばせたのです。

インフルエンザの検査は、流行時期にあり、感染の機会があり、臨床症状(発熱、咽頭痛、関節痛などなど)が揃っていれば、必要ありません。

しかもインフルエンザにかかっていても最初の24時間は陰性になることもある(偽陰性)ことは、母親情報でもよく知られていますが、実は、いつ検査しても感度は50~60%で、サイコロの丁半と同じといったところ。陰性でも陽性でも結果がどちらでも、結局治療は変わりません。インフルエンザだろうと分かっている病弱ではない人に検査は必要ないとされています。

インフルエンザの検査をするにあたって、「まだ今は早い。明日また病院に来て検査するから」とか、「検査したら良かったお母さん。インフルエンザではないので安心して」という巷の医者の説明は、もう突っ込みどころ満載で、痛々しい程に間違っています。

「検査してインフルエンザでなければ、早く学校へ行ける。そうすれば、早く自分も仕事に行ける」と思ってしまうのも当然かと思います。しかし、インフルエンザであると症状と周りの状況から診断すれば、やはり、検査の結果によらず登校できる日取りをインフルエンザとして決めるべきです。

さて、その日の夜は、僕の号令で家族5人皆仲良く並んでみんなで吸入薬を服用したのでした。このお値段、5人でずばり21,000円也(自費、10割負担)。

しばらく、子供は療養のため、家で静かにしておく必要があります。もちろん、親も付き添いテレビ鑑賞、読書と原稿書きです。たまたま、休みが重なったので、交代で親も用事を済ませましたが、なかなか仕事が休めない親は大変です。休日をみんなでテーマパークへ行ったと思うことにし、納得したのでした。

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最終更新:1/18(金) 21:40
BuzzFeed Japan

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