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俳優生活40年の三上博史、露出を控えた理由 5年に1作品のときも

1/18(金) 10:36配信

AbemaTIMES

 「本気と本当」。三上博史の俳優生活40年というあぜ道に立つ道しるべには、きっとそんな言葉が刻まれているに違いない。劇作家・寺山修司に見いだされて1979年制作の短編映画『草迷宮』で俳優デビュー。このとき三上は15歳。映画作りという祭事に魅了されて本格的に俳優の道を歩み始めるきっかけとなった。そしてメジャー初主演映画『私をスキーに連れてって』(1987)がブームとなり、平成初頭のエンタメ業界をトレンディドラマのエースとして牽引した。ところが現在ではどうだろう。露出は極端に少なくなり、昨年2018年に至っては「ほとんど仕事をしていなかった」という。そこには道しるべの言葉「本気と本当」が大きく関係しているようだ。

 役柄を演じる上で心掛けるのは、自分自身を空っぽにすること。作品によって、役柄によってライフスタイルさえ変える。役を作るのではなく、自分を消す作業。命を削るくらいの本気度で作品と向き合って初めて、リアリズムが生まれると考えている。「作品との一蓮托生とうか、作品としっかりとコンニチワをして、しっかりとサヨナラをするタームじゃないと僕は仕事ができない。現場でもそうで、誰かが命がけでやっているものに対して一緒に乗りたいという気持ちがある。一度乗ると言った以上はとことんやる。ただ単に金儲けとか、当てたいとかそういうところにまったく興味がない」と情熱第一なのだ。

 しかし現実はやや複雑。作品を一過性の商品と捉える向きも少なくないわけで「中にはそこまで本気にならなくてもいいと思っている人たちもいるわけですよ。単に当てたい、単にヒットさせたいという人たちにとっては、本気の奴ってウザいんだろうね。僕のそういった姿勢が業界に広く認知されているから、『こいつに下手に声をかけたら本気になるから面倒だぞ』と思われて。それで5年に1本とかになっちゃう」と苦笑い。

 多忙を極めたトレンディ時代は「自分の名前が広く認知されなければ好きなことはできないと思って、とにかく本気で名前を売ってやろうとガムシャラでやっていた」というが、向き合い方の温度差の相違が、その胸の内の熱を冷やしていった。そして徐々に「惹かれなくなっていきましたね。場所を与えられても、自分に何ができるのだろうか?と真剣に考えてしまって」。だから口癖も「もう役者を辞めたい」になる。その姿は演技力が称賛されながらも寡作で知られるイギリス人俳優ダニエル・デイ=ルイスを思わせるが「彼の気持ちは凄くわかる。寡作なのも、そうそう命は懸けられないからだろうね」とシンパシーを感じている。

 ちなみに私生活も実に近しいものがある。デイ・ルイスは俳優休養中に山にこもって靴を作っているが、三上も昨年まで山にこもっていた。ノーギャラで沖縄のカルチャースクールの講師を務めたこともあり「読み聞かせのワークショップをしようとしたら、集まったのは僕と同年代のおばちゃんばかり(笑)。その30人を相手に急遽、身の上相談会を開催。でも大勢の前でなかなか本音を打ち明けない人が多いから、あえて僕がドSになって『おめえよぉ、はっきり言えよ!』と発破をかけたり。でもさ、50代のおばちゃんたちが抱えている悩みって結構面白いんだよ」。

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最終更新:1/18(金) 10:44
AbemaTIMES

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