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「下町ロケット」で話題になったトランスミッション 走りを滑らかにしている技術とは

1/18(金) 7:10配信

くるまのニュース

多段化していったトルコン式AT

 2018年に放送され話題となったTVドラマ「下町ロケット」に登場したトランスミッションは、トラクターの性能を左右する大切なパーツでした。では、私たちが普段から乗っているクルマのトランスミッションは、どのような進歩を遂げているのでしょうか。

いろいろなトランスミッションを画像でチェック(15枚)

 1991年にAT(オートマチックトランスミッション)限定免許が設定されてから、2019年でそろそろ30年経とうとしています。もはや日本で売っているクルマのトランスミッションは、98%以上がATです。そのATも近年では多段化がトレンドになっています。

 ATの仕組みは、もともとはステップATやトルコン式ATとも呼ばれる、トルクコンバーター(流体継手のひとつ)と遊星ギヤを組み合わせたものが以前から主流です。

 日本で最初のステップATは1957年に発売された岡村製作所(現・オカムラ)の小型車「ミカサ」で、その後トヨペット「クラウン」などの中型車にも採用されると、本格的な普及が始まります。

 初期のATは2速でしたが徐々に多段化が進み、現在は6速以上が標準で、高級車では8速や10速のATが採用されるようになってきています。

 多段化する要因としては、エンジン回転数のつながりを滑らかにして乗り心地を改善することはもちろん、上段ギヤの減速比を低くし、エンジン回転数を低く抑えることで騒音や燃費を低減することとされています。

 また、多段化によってエンジンの燃料消費率が一番良くなる領域を使う頻度を上げることでも、燃費向上につながります。

 しかし、ギヤの段数が増えることで構造が複雑化し、重量が増すという問題も生じます。そこで、現在、国産メーカーの小・中型車を中心に普及しているのがCVT(無段階変速機)です。

日本ではCVTが普及するも欧州では好まれない理由

 CVTは、6速、7速といった決まった段数のギヤを持たず、主な構造は2枚1組でできた2つのプーリー(滑車状の円盤)に金属製ベルトを掛け、プーリーの幅を調節することで変速します。

 ステップATと異なり変速時に起こるショックがなく、滑らかに加速ができることが持ち味となっています。 また、変速時にエンジンの回転数を下げる必要がなく、理論上のエネルギーロスが少ないというメリットもあります。

 国内では、排気量2リッター以下のクルマの多くがCVTを採用していることで採用比率が高くなっていますが、大排気量・高出力のクルマや欧州ではあまり採用されていません。その要因としてはCVTの特徴のひとつである、金属ベルトにあります。

 まず、エンジンの出力を大きくしていった際に、金属ベルトをギヤと同等の強度にすることが難しいとされています。

 仮にギヤと同等の強度を持たせたとしても、大排気量・高出力のクルマにCVTを採用した場合、金属ベルトとプーリーの滑りを防ぐために強い張力が必要になり、摩擦によるエネルギーロスが増え、CVTのメリットがなくなってしまいます。

 ほかにも、キックダウン時のもたつきや、プーリーの軸間距離によって変速比の上限が決められてしまうことで、副変速機を付けざるを得なくなるクルマもあるなど、CVTには物理的な限界が存在します。

 欧州では変速時のショックやエンジン音の変化も含めて、ダイレクトな感覚が好まれる傾向があり、CVTの独特な変速フィーリングは好まれていないようです。

 実際、欧州車のATはDCT(デュアルクラッチトランスミッション=2組のクラッチを自動操作して変速)が主流となっています。

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最終更新:1/18(金) 7:10
くるまのニュース

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