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就職か研究か?岐路に立つエリート基礎研究者の就活事情

1/20(日) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

深刻な人材不足から、2020年卒の新卒採用も売り手市場が続くと言われている。その一方で、日本の科学技術を支える理系の基礎研究者は、就活と研究の間で、複雑な想いを抱えている。

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「修士と博士で給料は一緒」でいいの?

「(就活は)超不安ですよ、本当に。どこのメーカーがこれから残るか、わからないですし」

東京大学大学院の工学系研究科で、新たな化学材料の開発を目指して研究するイノウエハルキさん(仮名、22)は今、モヤモヤとした悩みを抱えている。

ハルキさんの研究内容は、すぐに具体的なビジネスに結びつくものではない、いわゆる基礎研究だ。研究自体は好きだが、ハルキさんは博士課程に進むつもりはないという。

「先生たちはみんな『これからグローバルで戦うためには、博士がないと相手にされないよ』って。それは正しいとは思うんです。でも……」

まずあるのは、経済面の不安だ。

文部科学省が発表している資料によると、後期博士課程に在籍している学生のうち、年間180万円以上を受け取っている人の割合は約1割。政府の掲げる目標値(2割)の半分だ。

またハルキさんは、長期インターンに参加した時の飲み会の席で、企業の担当者に博士号取得者の採用状況について尋ねたとき「博士をとっても、修士で入ってきた人と給料は同じ」と聞き、ガッカリしたという。

「一緒かい!そこになんの差もないやんか!とこちらは思うわけですよ。企業側の感覚と、大学側が考えていることがなかなか一致していないなあと」

こう考えている学生は、ハルキさんだけではない。
同資料によれば、修士課程修了者の博士課程への進学率はここ20年以上、減少傾向だ。
余裕のある暮らしはできず、就職しても待遇は修士と同じなら、博士課程にいくメリットは薄い ──。 データからは、学生たちのそんな想いが見え隠れするかのようだ。

“売り手市場”と言われているが…

科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)のデータによると、人口100万人当たりの博士号取得者の数で、日本は2014年度に118人と、主要国の中でも低い数字だ。

その一方で、日本の人材市場をみると、特に理系人材にとって今は空前の売り手市場だ。前述のハルキさんも、教授陣は「みんなだったら、大手のメーカーの研究職に就けるよ。そんなガツガツしないでもいいんじゃないの?」という感じだ、と語る。

だが、不安がないわけではない。ハルキさんの専攻では、就職先といえば化学メーカーやインフラ系だ。就活の際には他の業界も検討したいが、研究の忙しさからなかなかその時間が取れない。

「情報があふれているから、不安にもなるし……。とりあえずインターンしたいよね、って学生たちは考えています。そうすると、先生との感覚がずれてくるので、しんどいなって」

学科では、数日間の短期インターンはほとんど研究の役に立たないため、しないように言われている。「仮病で休めば、行けるんですけど」と、ハルキさんは自嘲気味に言った。

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最終更新:1/20(日) 20:10
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