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専門家が解説 空き家処分で悩んだら「3つの選択肢」から

1/22(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【田舎の実家の大問題】(1)

 年末年始に帰省した際、実家が抱える問題について考えさせられたサラリーマンは多いのではないか。年老いた両親を前に、これから起こるであろう事態を想像して気が重くなった――。そんな人は専門家のアドバイスに耳を傾けるといい。

  ◇  ◇  ◇

 田舎がある人が必ず直面するのが実家の土地と家屋の問題だ。両親が亡くなったり施設に入ったりするとだれも住まなくなるのであれば、「負の遺産」になってしまう恐れは高い。

「不動産にはそれぞれ個性があり、考えられる対策も環境によって違います。教科書通りのやり方はないのですが、考え方としては①売る②活用する③もらってもらう――の3つでしょうね」(住宅ジャーナリストの榊淳司氏)

 売れるような物件であれば、家具などの荷物を運び出して一日も早く売却するのがベストだ。

 総務省の「住宅・土地統計調査」(2013年)によると、全国の空き家数は820万戸で5年前から63万戸も増加した。空き家率は13.5%と過去最高を記録。これは今年、15%を超えてくると予想されている。行き場がない物件が増えれば増えるほど売却が難しくなるのは当然だ。

 今後は千葉や埼玉の実家も、どんどん空き家になっていく。団塊の世代の多くは、所沢駅からバスで15分とか、通勤に1時間以上かかるところに家を購入したが、その子供の団塊ジュニアは、もっと便利な場所に住んでいる。両親が亡くなっても実家に住むこともない。そんな物件も大量に余ってくるのだから、なおさら急ぐべきだ。

「なかなか売れない場合、まずは賃貸に出してみるのも手です。近所に同じような売り物件があれば、同じ価格で売りに出しても簡単に売れません。でも、家賃4万円で借り手が見つかった段階で売りに出せば、500万円を年間9%で回せる投資物件になります。こうなると買う人が出てくるんですよ」(榊淳司氏)

 売れなければ②の活用だ。インバウンドのニーズが見込めるような場所であれば、民泊やゲストハウス、シェアハウスなどを検討しよう。

「いまは“こんなところに?”というところにまでインバウンドが広がっています。民泊やゲストハウスを運営してくれる業者も多い。それを探して相談してみるといいですね。私も京都の実家をそうやって活用しています。売り上げの半分ぐらいは取られますが、固定資産税を払うだけの状態に放置するのに比べれば全然マシです」(榊淳司氏)

 それもできなければ③の「もらってもらう」だ。いまは空き家不動産を紹介するサイトがいくつもある。そこに出して、タダでもらってくれる相手を探すのだ。

「最近はタダでも引き取り手がない物件もあり、“50万円を支払います”という条件を付けるケースもあります。固定資産税の支払いや取り壊し費用を考えれば、それでも安いという判断なのでしょう。実際、木造住宅の取り壊し費用は坪10万~20万円と高騰しています。だからといってそのままにしておけば、管理が大変。知らない人が住みついたり火事になったりするリスクを考えれば、どうにかして手放した方がいい。何もしないのが最悪です」(榊淳司氏)

 ちなみに自治体と交渉しても引き取ってくれる可能性はほぼゼロだ。個人が持っていれば入るはずの固定資産税が入らなくなることをよしとするわけがない。いまや実家はババ抜きのババと同じ。早めにだれかに渡さないと、どんどん苦しくなるのだ。

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