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金正恩氏の三一節韓国訪問 「反日」広める好機か

1/22(火) 12:11配信

ニュースソクラ

”共通の敵”日本をたたく動き次々

 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩 朝鮮労働党委員長による第2回米朝首脳会談の日程が「2月末ごろ」に決まった。これにより、韓国メディアから流れている金正恩氏の三一節の韓国訪問の可能性がより高くなった。

三一節(サムイルチョル)とは、日本帝国の植民地時代の1919年3月1日、韓国全域で同時多発的に起きた独立運動を記念する日で、韓国人にとっては8月15日の光復節(終戦記念日)に並ぶ重要な民族の祝日だ。

 第2回米朝首脳会談の時期に関するホワイトハウス発表の前に、韓国の日刊紙『ソウル新聞』は、韓国大統領府が金委員長の三一節訪問を推進していると報じた。

  同紙は政府高官の話を引用し、「三一節の韓国訪問が実現するなら、北朝鮮の最高指導者の最初の訪韓という意味に加え、(三一節)100周年を南北がともに記念するという歴史的意味合いが重なる」と報じた。

 インターネットメディア『ディートニュース24』は、大統領府は三一節訪韓説を否定しているが、専門家の間では十分実現可能な話として受け止められていると報じた。

  同メディアは「文大統領と金委員長は昨年9月の『平壌共同宣言』で3.1運動100周年を南北が共同で記念するための実務的方策を協議していくことで合意した」と述べた上で、「もし米朝首脳会談が2月中に開かれる場合、金委員長の韓国訪問は三一節の前後になる可能性が高い」と見通した。

 これに関連して、韓国メディアは徐勳国情院長の動きに注目している。

徐勳氏は、2000年に当時の金大中大統領と金正日総書記の南北首脳会談を成功させたキー・パーソンで、文大統領と金正恩委員長の3度にわたる会談を陣頭指揮するなど、南北首脳会談のエキスパートとして知られている人物だ。

金永哲北朝鮮労働党副委員長の訪米直前にこの徐勳氏が、ワシントンを訪問し、ジナ・ハスペル米中央情報局(CIA)局長と会談したことが明らかになった。

韓国の北朝鮮専門家らは徐氏のワシントン行きを第4回南北首脳会談に向けての事前調整のためと見ている。国家安保戦略研究院の趙成烈元首席研究員はラジオのインタビューで「徐薫国情院長の米国訪問は非核化に対する調整、そして米朝首脳会談と南北首脳会談の役割分担のためと見られる」と分析した。

 文政権は今年3月1日に大々的な三一節100周年記念行事を準備している。担当省である国家報勲処によると、韓国政府は26の多様な行事を行う予定だ。

まず、独立運動家の安重根の遺骸発掘のための南北共同調査が進められる予定だ。安重根は満州のハルピン駅で伊藤博文を暗殺した人物で、1910年に中国旅順の監獄で処刑された。

 三一節の抗日運動を国際的に広報するため、「ユネスコ世界遺産登録」を推進、関連省庁との協議も進められる予定だ。3月1日から臨時政府樹立日の4月11日まで、松明をもって韓国を横断する「独立の松明全国リレー」行事が行われる。

 日本と米国など40カ国余りで関連記念式と関連イベントを開催し、中国やロシア、フランスなど、13か国に代表団を派遣する予定だ。

日本では当時の在日朝鮮人留学生による2.8独立宣言を記念し、2月8日に東京で記念式を行う。4月14日から16日にかけては、米フィラデルフィアで、当時の状況を再現する街頭行進と「韓米親善の夜」行事なども設ける。

 挺隊協など、慰安婦問題関連団体が統合して新しく改名した「正義研(日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯)」は、北朝鮮の朝対委(朝鮮日本軍性奴隷制および強制連行被害者問題対策委員会)と、「三一節共同行事」を協議中だ。

 行事内容は、ソウルと平壌で3.1運動100周年記念共同声明を発表、日本政府を糾弾、慰安婦問題の解決に向けた南北連帯を宣言、日本政府と国際社会に要求事項を伝えるなどが含まれている。

 統一運動を展開する民間団体「民和協(民族和解協力汎国民協議会)」と北朝鮮の「民族和合協議会」は、「日帝強占期強制徴用被害者共同討論会」を開催することで合意した。

徴用工問題の解決に向けて南北が共同努力を傾けるという計画だ。彼らは、南北が共に日本側に徴用工の遺骨返還を要求していく方針だという。

 徴用工裁判をめぐって、すでに財産差押さえの申請が承認された新日鉄住金と三菱重工に対する強制執行が、三一節100周年を記念して電撃的に行われる恐れもある。

韓国の国営放送KBSは1月5日、徴用工被害者側弁護人のインタビューを通じて、三菱重工が1月中に賠償のための交渉に乗り出さない場合、3月1日に財産差押えに対する強制執行に乗り出す計画だと報じた。

徴用被害者の新たな大規模集団訴訟が、三一節100周年をきっかけに起きるかもしれない。2013年から日本企業を相手に1000人余りが参加する大規模訴訟を進めている「強制動員被害者連合会」が全国各地を回りながら「集団訴訟説明会」を開催し、訴訟団の追加募集に乗り出しているためだ。

 歴史問題をはじめ、海上自衛隊の旭日旗掲揚問題、レーダー照射問題などで反日世論が最高潮に達した韓国と、「同じ民族」という民族協調を掲げ、北朝鮮の核に対する韓米日協力を崩そうとしている北朝鮮。

南北にとって今年100周年を迎えた三一節は、過去を反省しない日本に向けた批判の声を高め、国際社会を対象とする世論戦を展開できる絶好のチャンスである。

 また、経済悪化と相次いで起こる権力型スキャンダルによって支持率が下落しつつある文大統領にとっても、金正恩氏とともにこの記念すべき反日行事に参加することは、国内世論を反転させる最高のイベントになるだろう。

そのような意味でも、 金正恩氏の3月1日の韓国訪問は、「大いにあり得る」シナリオであろう。

朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)

最終更新:1/22(火) 12:11
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