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養殖サバ戦国時代 九州だけで年産80万尾超え 新規参入が相次ぐワケ

1/23(水) 11:52配信

みなと新聞

 九州で年産80万尾超と養殖サバの生産が拡大している。九州大と佐賀県唐津市が共同開発した完全養殖マサバ「唐津Qサバ」は今シーズン(2018年10月~19年6月)、前年同期比5割増の3万尾を出荷計画。鹿児島県長島町の養殖業者がつくる「むじょかさば」も前年比2倍となる10万尾の販売体制を整える。今後も生産拡大は続くのか。サバ養殖の現状を追った。

 「これほど多くの方が来てくれるなんて」。昨年10月に唐津市内であった唐津Qサバの試食会。主催した市の担当者は周囲の関心の高さに驚いた。取引先やマスコミ関係者など50人が出席。出来上がった養殖サバの刺身に舌鼓を打った。

 唐津Qサバの研究プロジェクトが始まったのは12年。新たな養殖魚種としてサバを開発し、地域活性化の起爆剤にする狙いがあった。天然サバの卵をふ化させて親魚に育て、その親魚が生んだ卵を親に育てる完全養殖技術が14年に完成。餌は一貫して配合飼料で育てるためアニサキス(寄生虫)がほとんど付かない、年中一定の脂のりがあるといった特徴をPRして売り込んだ。

 初出荷となった14年シーズン(10月~翌年6月)は3000尾を出荷。その後順調に生産を伸ばし、今シーズンは3万尾を販売する計画を進めている。主な販路は唐津市内のホテル、旅館、東京都内の飲食店。「計画通りの出荷ができている」(販売を担当する佐賀玄海漁協)という。

 サバ養殖が始まったのは10年以上前のこと。相場変動で経営が不安定だった九州のブリ、カンパチ養殖業者が始めた。新たな魚種を開発して経営を多角化し、リスク分散を狙う意図があった。

 サバ養殖の特徴は養殖期間の短さや、出荷時の価格の高さ。100~250グラムの種苗(天然マサバ)をイケスに取り込めば、半年後には出荷サイズの400グラム以上に育つ。種苗から成魚への歩留まりは8~9割、配合飼料で育てた場合の増肉係数は2~3(1キロ太らせるのに2~3キロの餌が必要)。ブリとほとんど変わらない。

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最終更新:1/23(水) 16:02
みなと新聞

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