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スズメバチの羽音とにおいで有害獣撃退 広島の養蜂業者開発、岩手のJR線で実験

1/23(水) 8:11配信

山陽新聞デジタル

 スズメバチの羽音やにおいを利用して有害獣を撃退するユニークな装置を広島県福山市の養蜂業者が開発し、ベンチャー企業の取り組みを支援するJR東日本グループのプログラムに採択された。現在、岩手県のJR線で、列車と動物の衝突防止に向けた実証実験を行っており、成果が期待される。

 ハチミツなどを製造・販売する「はなはな」(同市加茂町中野)が開発し「境界守(きょうかいもり)」と名付けた。スピーカーやにおいの発生装置が組み込まれたコントロールボックスと配管で構成。配管を通じて録音したスズメバチの「ブーン」という羽音や化学的に合成したにおいを流すことで、近くにハチがいると動物に錯覚させ、近寄らせないようにする。

 清水秀幸社長(69)が、田畑を荒らすイノシシやシカがミツバチの巣箱に一定距離以上近づかない習性に気付き、「野生動物もハチに刺される恐ろしさを知っているのでは」と推測。5年ほど前から開発を進めてきた。大手製薬会社などに協力してもらい、ネズミやサルといった動物でも効果を確認しているという。

 野生動物の衝突事故対策にも応用できると考え、昨年4月、ベンチャー企業と新ビジネス創出を目指すJR東日本グループのプログラムに応募。全国から提案があった182件から他の22件とともに選ばれた。

 実験は、JR東日本管内でシカの衝突事故が最も多い岩手県のJR山田線で、昨年12月20日から3月まで実施。線路脇約500メートルにわたって配管を敷設し、動物が立ち入らないか検証している。

 同グループは、1月18日までの約1カ月間に衝突は起きていないとし、「フェンスを設置したり、ライオンの排せつ物をまいたりしたが決定打にはならなかった。全国の鉄道事業者が同じ悩みを抱える中、アイデアを生かせれば」と期待。清水社長は「解決につながればうれしい。研究を進め、より効果が出る方法を探っていきたい」と話している。

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