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AI作曲、ハエ活用循環システムも登壇の第2回紅白“ピッチ”合戦

1/24(木) 11:00配信

アスキー

年末に、「2018年第2回紅白“ピッチ”合戦~平成最後の紅白ピッチ~」が開催された。AI作曲ソフト、ファイナンス管理、農業系スタートアップなどバラエティーに富む8企業が登壇し、それぞれ2018年の振り返りと、2019年の展望を語った。
 12月26日、東京・渋谷のhoops link tokyoにて年末イベント「2018年第2回紅白“ピッチ”合戦~平成最後の紅白ピッチ~」(主催:カウンティア株式会社)が開催された。AI作曲ソフト、ファイナンス管理、農業系スタートアップなどバラエティーに富む8企業が登壇し、それぞれ2018年の振り返りと、2019年の展望を語った。会場には、スタートアップのほか、大企業、投資家などが集まり、来場者による投票の結果、紅組の勝利となった。

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 紅白ピッチ合戦は、登壇企業のピッチを紅白対抗戦で楽しむ、パーティー感覚の年末イベント。2回目となる今回は、女性代表の紅組4社、男性代表の白組4社、計8組の企業が登壇。司会はSELF株式会社CFOの佐藤史章氏、紅組の司会はカウンティア株式会社の田原綾香氏が務めた。
 
 各4分間のピッチと4分間の質疑応答が行なわれた。
 
誰でも簡単に作曲できるAI作曲ソフト
 白組のトップバッターは、Dmet Products株式会社 CEO 楠 大吾氏。昨年は、踊ることで音を奏でるウェアラブル楽器ガジェット「SoundMoovz」を発売した同社。2018年は、新たにAI自動作曲ソフト「ecrett music」を開発。シーンやムード、楽器などを選ぶだけでAIがオリジナルの曲を作ってくれる

 
 個人/法人、プロ/アマを問わず、誰でも簡単に作曲でき、商用利用もできるので、動画のBGMなどにぴったり。来場者からは、「子どもに使わせてみたい」という声もあがり、教育や福祉向けにも広がりそうだ。
 
生産農家がきちんと儲かる野菜の直送プラットフォーム
 続いて紅組は、株式会社ビビッドガーデン 秋元里奈氏が登壇。オーガニック農家が集まるマーケットプレイス「食べチョク」を紹介。
 
 農家が廃業するのは、儲からないのが最大の原因。JAや仲卸など複数の業者を通す既存の流通システムの場合、生産者には3割程度の粗利しか得られないという。食べチョクでは、仲介業者を挟まずに農家から消費者へ直送し、販売手数料は20%を引いた残りの8割が農家の収入になる。集荷所を通さないため、消費者へ届くのが早く、鮮度も高い。
 
 2018年は、ユーザーの好みに合った農家をマッチングする定期購入型サービスや、飲食店向けの仕入れサービスもスタート。現在、登録農家の数は220件を突破し、農家直送サービスではナンバーワン規模に成長しているそうだ。
 
スタートアップの資本政策、投資家の投資先やディール管理をスマートに
 株式会社スマートラウンド 砂川 大氏は、現在開発中のファイナンスマネジメントプラットフォーム「Smartround」を紹介。起業家の資金調達業務と、投資家の管理支援業務を効率化するためのツールだ。
 
 起業家の多くはファイナンスの知識に乏しく、資金調達にばかり時間を浪費してしまっている。そこで、起業家向けにファイナンスの基礎や資本政策の設計などをマニュアル化したツールとして提供。画面の手順に沿って入力するだけで、資金調達業務がこなせるという。また投資家向けには、投資先からあがってくるデータをリアルタイムに管理するツールを開発中だ。
 
 サービスは2019年に開始予定で、起業家の利用料は月1000円のサブスクリプション制となる見込み。参加したベンチャーからは、すぐに契約したい、という声があがった。
 
相手の性格に合った伝え方をアドバイス
 株式会社ジェイ・バンの稲場真由美氏は、性格統計学を用いた世界初の対面ナビゲーションアプリ「伝え方ラボ」を紹介。人の話し方・聞き方の特徴から3タイプに分類し、会話相手に合った伝え方を教えてくれるアプリだ。
 
 コミュニケーションのズレや誤解をなくすことで、クレームやパワハラ、離職などのトラブルが回避できそうだ。相手の性格や嗜好によるコミュニケーションの支援機能は、ビジネスモデル特許を取得。2019年は販売拡大へ向けて、講師カウンセラーの養成と販路の拡大に注力していくとのこと。
 
手元のビットコインを貸して運用する
 白組の3社目、カウンティア株式会社 姥貝賢次氏は、仮想通貨を貸して増やすレンディングサービス「CoinOn(コインオン)」を紹介。ウォレットの中に眠ったままの仮想通貨をCoinOnに貸し出すことで、運用によるリターンが受け取れる仕組み。貸し出した仮想通貨自体は減ることがなく、いつでも出金申請できるという。
 
感情の記録と自己分析でストレスを解消する「KibunLog」
 続いて紅組3社目は、株式会社キママニ 村上 遙氏がメンタルの改善をサポートするアプリ「KibunLog」を紹介した。
 
 うつなどの精神疾患の治療には、患者本人が感情や状況を描き出し、振り返って分析する、という共通のワークが用いられるが、勤務中には、なかなか実践できない。SNSの裏アカなどに感情を吐き出しても分析は難しい。
 
 KibunLogでは、感情の記録と分析に特化したUI/UXで、画面の選択肢から気分を選んで感情を吐き出し、すぐに自己分析ができるのが特徴。ユーザーコミュニティー機能もあり、当事者同士が同じ悩みや体験を共有し、支え合える。現在、累計3万9000ダウンロードを達成。精神疾患の発症の予防、薬や通院をせずアプリで治療することを目指している。
 
ランチタイムを有効に使える月額定額制ランチテイクアウトサービス
 白組の最後は、株式会社RYM&CO. 谷合 竜馬氏が登壇し、月額定額制ランチテイクアウトサービス「POTLUCK」を紹介した。当日の午前10時までにメニューを予約すると、指定した時間に店頭で受け取れる。ランチタイムに店探しや行列に並び待つ手間がなく、昼の休憩時間を有効に過ごせる。
 
 プランは6食/12食/20食の3コースで、1食あたり600~680円(税抜)。9月にβ版を発表し、現在は渋谷・恵比寿を中心に60店舗と提携、2019年は、渋谷圏内200店舗との提携、月間2万食の提供を目指す。
 
特殊イエバエを使った100%バイオマス循環システム
 紅組のトリは、株式会社ムスカの流郷綾乃氏が登壇。独自の交配によるイエバエ幼虫を活用した飼料・肥料プラントシステム「MUSUCAシステム」を紹介した。
 
 同社は、1100世代以上の選別交配されたイエバエを用いることで、100%バイオマスリサイクルシステムを開発。生ごみや畜産糞尿にイエバエの卵をまくと、1週間後には幼虫と幼虫の排泄物に分かれて、幼虫は家畜の飼料、排泄物はオーガニック肥料になる。
 
 2018年は、TechCrunch Tokyo 2018「スタートアップバトル」で優勝、NTTデータのOpen Innovation Contest9.0にてSDGs賞など多数のアワードを受賞。2019年3月以降からプラントを着工予定だ。この事業を進めていくことでサスティナブルな社会を作っていきたい、と語った。
 
スタートアップの知財戦略を支える特許庁の5つの施策
 休憩中のパフォーマンスタイムでは、経済産業省特許庁の貝沼憲司氏から、特許庁のスタートアップ支援施策が紹介された。スタートアップのもつ破壊的なアイデアや技術、人材などは知財の塊。こうした知財をいかに守り、活かしていくかが重要だ。知財は、独占だけでなく、事業提携や資金調達時の信用証明として強力なツールとなる。
 
 特許庁ではスタートアップ支援として、1)知財コンテンツの配布、2)「ベンチャー企業対応スーパー早期審査」、3)知財アクセラレーションプログラム「IPAS」の開設、4)審査請求料・特許料が3分の1になる軽減措置、5)海外展開の支援(JIP)の5つの施策を実施している。
 
 特許庁ではウェブサイトを見やすくリニューアルするととともに、新たにスタートアップ支援サイトを開設。スタートアップの知財戦略の事例なども紹介されているので、ぜひチェックしてみよう。
 
 観客による投票結果は、紅組45票、白組11票で紅組が優勝し、紅組チームに副賞としてレッドブル1ケースが贈呈された。
 
 
文● 松下典子 編集●北島幹雄/ASCII STARTUP

最終更新:2/5(火) 0:08
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