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急成長する「退職代行サービス」 背景には企業の激しい引き留め工作?

1/24(木) 19:00配信

THE PAGE

 近年、本人に代わって会社に退職の意思を伝える「退職代行サービス」が急成長しています。これにはどのような背景があるのでしょうか。

 日本の法律では、労働者は退職の2週間前までに会社に対して退職することを伝えれば、いつでも自由に辞めることができます(一般的な正社員の場合)。会社に許可を得る必要はありません。会社への意思表示は退職届を出すだけですから、手続き的にはとても簡単です。

 退職代行サービスの相場は3万円程度と決して安い金額ではありませんが、利用者はなぜこうした代行サービスをわざわざ利用するのでしょうか。その理由は一部の会社が激しい引き留め工作を行うからだといわれています。

 いわゆるブラック企業にその傾向が顕著ですが、暴力的な言葉で会社に残るよう強制したり、一転して泣き落としを試みるなど、様々なテクニックで辞めようとする社員を揺さぶります。会社側にそうした傾向がない職場でも、「言い出しにくい」「面倒」といった理由で代行サービスを頼むケースも少なくないようです。

 ちなみに、退職代行サービスは、あくまで退職の意思を会社側に伝えるまでが仕事で、それ以上の交渉を行うことはできません。本人に代わって交渉を行うというのは、弁護士だけができる仕事であり、弁護士以外が法律的な交渉を行うことは非弁行為として禁止されています。したがって、様々な交渉まで行うという内容である場合には、法律違反の可能性がありますから注意が必要です。

 労働者がいついかなる時でも自由に会社を辞めることができるという法律は、すべての労働者を保護するために存在しています。こうした法律があっても、会社を辞められない人が大勢いるというのは、日本企業が置かれた特殊な環境を反映しているといってよいでしょう。

 本来であれば、本人が直接、会社に対して意思表示をするのがスジですが、このようなサービスに頼らざるを得ない労働者が多いという現実については、少し深刻に考えた方がよいかもしれません。

 一方的にこのようなサービスを使われてしまった企業としては、気分的にスッキリしませんし、引き継ぎなどで混乱が生じるかもしれませんが、本来、近代的な組織というのは、いつ誰が辞めても機能するよう、仕組みとして組織をデザインすべきものです。こうした組織を作れない企業というのは、今後は衰退していく可能性が高いでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:1/24(木) 19:00
THE PAGE

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