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JR四国の新型2700系特急形ディーゼルカー、兄弟車と大きく違う「車体傾斜」の仕組み

1/26(土) 16:00配信

乗りものニュース

車体の「傾き」を実演

乗りものニュース

 JR四国の新型車両である2700系特急形ディーゼルカーが完成。量産先行車4両(2両×2編成)のうち、2両×1編成(2702号+2752号)が2019年1月23日(水)、多度津工場(香川県多度津町)で報道陣に公開されました。

【写真】車内から床下まで全公開!

 この公開では、乗り心地を損なうことなくカーブを速く走るシステム(車体傾斜装置)の動作を実演。「プシュー」という音が響くたび、車体が左右に傾きました。

 2700系は、2年前の2017年に完成した2600系特急形ディーゼルカーがベースです。2600系、2700系とも、老朽化した2000系特急形ディーゼルカーの置き換えを目的に開発されました。2700系の外観や車内のデザイン、サービス設備は、2600系とほぼ同じ。座席は日本の伝統文様でデザインされ、肘掛けにはスマートフォンなどを充電するための電源コンセントもあります。

 しかし、2700系と2600系は見た目こそ似ていますが、車体傾斜の方式が大きく変わりました。

 カーブ区間を列車が走ると、遠心力によって車体が外側に引っ張られ、速ければ速いほど乗り心地が悪化。そのため、直線の区間より速度を落とさなければなりません。特に四国のJR線はカーブが多く、十分な速度を出せないため、所要時間も延びてしまいます。四国では高速道路の整備が徐々に進み、高速バスとの競争でも不利になってきました。

 車体を傾けて走れば遠心力を弱められ、乗り心地を損なうことなく速くカーブを通過できます。そこでJR四国は1987(昭和62)年の発足後、線路のカーブに合わせて車体を振り子のように傾ける振り子式車両の導入を検討。1989(平成元)年から1998(平成10)年にかけ、振り子式の2000系特急形ディーゼルカー(N2000系を含む)と、8000系特急形電車を導入し、列車の高速化を図ったのです。

振り子式の欠点を解決しようとしたが…

 ただ、振り子式は通常の車両に比べて構造が複雑。製造費が高く、保守の費用や手間もかさみます。このためJR四国は「空気バネ式」と呼ばれる車体傾斜装置の導入を考えるようになりました。

 鉄道車両には、車体と台車(車輪のある部分)のあいだに風船のような形をした「空気バネ」を備えたタイプが存在。この空気バネが車両の揺れを吸収し、乗り心地の悪化を抑えています。空気バネ式は、この空気バネのなかにある空気を出し入れすることで車体を傾けるもの。振り子式に比べ構造が単純で、製造費や保守費を抑えられるといったメリットがあります。

 こうして2014(平成26)年、香川と愛媛を結ぶ予讃線で空気バネ式の8600系特急形電車がデビュー。続いて空気バネ式ディーゼルカーの開発も行われ、2017年に2600系の量産先行車が完成したのです。

 2600系の量産先行車を使い、JR四国は走行試験を実施。その結果を反映した量産車を製造し、老朽化が進む2000系を置き換える方針でしたが、香川と高知を結ぶ土讃線で走行試験を行ったところ、ある課題が浮上しました。

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最終更新:1/28(月) 12:55
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