ここから本文です

<北朝鮮>謎のスポーツ強国の内幕(2)すべての訓練は金正日のお言葉通りに 深刻な子供の発育不良

1/31(木) 11:00配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

◆英才教育

「機関車体育選手団」(鉄道局体育団)所属の新体操の選手たちの訓練風景。(わが民族同士HPより)

◆英才教育
選手の選抜年齢は種目によって異なるが、北朝鮮では幼少期から英才教育を受けさせようとする傾向が強い。

幼少期の選抜対象者となるのは、「学校体育小組(運動部)」の部員たちと、「課外体育学校」の生徒たちが基本だ。しかしその他の一般学生であっても、可能性が認められた場合には経験の有無に関わらず選抜している。

北朝鮮では、小学校と中学校において運動部が運営されている。種目は学校ごとに異なるが、どの学校にも必ずあるのがサッカー部と陸上部だ。

一方、非常に珍しい例としては、ボクシング部のある小学校もある。試合やスパーリングなどはさせずに、基本動作を徹底的に教え込むのだ。

また、冬季種目の選手はほとんどが、北部の咸鏡北道か滋江道の出身者で占められている。というのも、北朝鮮には室内スケート場が平壌の一ヶ所(氷上館)しかないためだ。

幼いころからスケートに親しむことができるのは、川や池の水面が凍結するほど寒さが厳しく、運動場に盛土で囲んで水を撒いた「即席リンク」を作ることのできる、北部地域の子どもたちに限られるのである。

一方、課外体育学校は、90年代半ばまでは「クラブ」と呼ばれていた。しかし政府が外来語を排除する政策を打ち出したことと、海外からプロチームと錯覚されることを防ぐ目的もあって、現在の名称に改められた。

課外体育学校は、地域のすべての学校運動部よりも高いレベルにある。一種の英才教育機関と言えるだろう。生徒は、地元のすべての学校運動部員(小学校、中学校)および一般学生から選抜される。

課外体育学校は各道に一つずつあるほか、特定のスポーツ施設を保有する機関が独自に運営しているケースもある。例えば平壌市内の種目別体育館は、「力道(リョクド)(重量挙げ)館課外体育学校」、「テコンドー館課外体育学校」などを運営している。

体育団による選手選抜は、行政当局が作成した種目別の選抜指標に基づいて行われる。しかし指標は作成されてから相当な時間を経ており、いまでは現実と大きくかい離している部分が多い。

選手選抜に直接関わってきた経験から言うと、技能基準をクリアできる学生は体形基準を満たさず、反対に体形がオーケーでも技能が基準に満たないというケースが多かった。とくに頭が痛かったのが、身長や腕のリーチ、体重面で基準を満たす学生が、非常に少なかったということである。 本文:2,942文字 写真:2枚

続きをお読みいただくには、記事の購入が必要です。

すでに購入済みの方はログインしてください。

  • 税込108

サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。 購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください。 購入した記事は購読一覧で確認できます。

最終更新:1/31(木) 11:00
アジアプレス・ネットワーク

おすすめの有料記事

もっと見る