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遅咲きペア別大マラソン3位 東京パラに手応え

2/3(日) 19:02配信

毎日新聞

 3日に大分県であった第68回別府大分毎日マラソン大会で、山下慎治さん(35)=シーズアスリート、福岡市=が、自己最高を3分30秒縮める2時間43分30秒で視覚障害者の部3位に輝いた。ともにゴールした伴走者の坂梨史典さん(40)=福岡市=と山下さんは30歳でマラソンを始めた遅咲きランナー同士。ペア5年目となる2人は「東京パラを目指そう」とたたえ合った。

 山下さんは、小中高とラグビーをしていたが、高校卒業目前で視野が狭くなる網膜色素変性症と判明。スポーツは諦め、短大卒業後は事務系の仕事に就いた。しかし、2012年のロンドンパラリンピックで活躍する視覚障害者の選手に刺激され、走り出した。

 14年4月の初マラソンを3時間25分17秒で完走した。当時のブラインドマラソンの強化指定選手の条件が3時間以内だったため「世界で戦えるかな」と無我夢中になった。

 速くなるにつれて困ったのが、伴走者の確保だ。ランナー仲間を通じ、当時2時間36分台の記録を持っていた坂梨さんが相談を受けた。「走るのが好きな仲間同士。伴走者がいないから走れないとは思ってほしくない」と伴走者を引き受けた。

 15年1月から山下さんと坂梨さんは時間を合わせ、練習を積んできた。坂梨さんは、2人をつなぐ約30センチのガイドロープで山下さんの考えや調子などを感じ取ってきた。

 昨年12月に山口県であった防府読売マラソンでは、レース後半、冷たい雨を浴びて山下さんは低体温症のような症状に襲われた。坂梨さんもロープを通じて「いつもの走りじゃない」と分かった。

 リベンジとなった別大マラソン。伴走者ありのランナーとしてトップでゴールし、20年の東京パラリンピックに手応えを感じるレースとなった。山下さんの視野は今後も狭まる恐れがある。「見えなくなる中で、自分が他人の力になれることは少ない。でも、速く走ることで恩返しをしたい」。坂梨さんもそれを支え、チーム山下は走り続ける。【杣谷健太】

最終更新:2/3(日) 19:02
毎日新聞

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