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現地取材で感じた“胸の内”、揺れる中国経済の着地点は?

2/4(月) 6:10配信

MONEY PLUS

米国との通商問題に揺れる中国。現地では、経済改革や成長戦略がどうとらえられているのでしょうか。

【グラフ】同じ歩調をたどる中国のGDP成長率と株価指数

1月に北京市と深セン市を訪れ、現地の企業経営者や経済専門家などの話を聞く機会がありました。今回は、筆者が感じた最新の中国事情をレポートします。

「量から質へ」の転換に揺れる中国

2018年の中国は「デレバレッジ(負債減らし)」政策に揺れました。この政策の趣旨は、経済成長の中身を「量から質へ」と転換させることであり、古い産業から新しい産業へ構造転換することです。

例を挙げれば、鉄鋼やアルミニウムなど従来型の素材産業への融資を増やさない、非効率な産業や企業への融資を減らして経済成長を牽引する付加価値の高い産業に積極的な融資を行う、といったことです。

しかし一方で、構造転換の行き過ぎが景気を悪化させるのではないか、といった懸念も高まりました。そこで2018年秋以降、中央銀行である中国人民銀行は市中銀行の預金準備率(人民銀行に預ける預金に対する比率)を引き下げて流動性を高めたほか、政府は積極的な財政政策や大規模な減税を実施するなど、景気下支えに軸足を置く姿勢を鮮明にしました。

さらに、政府は同年12月に総需要を安定化させる方針を決定。以上のことから、2019年の経済成長はあまり心配しすぎる必要はないと感じています。

過去に戻らないと考えられるワケ

では、財政政策が拡張的になって、低金利が維持されるのなら、過去のように非効率な産業が勢いづいてしまうのでしょうか。答えは“NO”です。

そもそも、習近平政権が地方の腐敗防止を掲げた背景は、地方政府が中国全体の発展を考えずに、目先の手をつけやすい政策(鉄を造る、入居が見込めない住宅を建てるなど)に傾注したことにあります。

しかし、地方政府の身勝手の芽を摘んだ今となっては、過去に戻ることは考えにくいでしょう。古い産業から新しい産業に資金を振り向ける動きがもっと明確になっていくと感じています。

投資について、中国の実質GDP(国内総生産)成長率の項目別寄与度を見ると、2018年は総じて低下しました。

投資の約6割を占める民間企業が増えているとはいえ、国営企業が重要な役割を占める中国では、投資が低迷することは政府の意思でもあり、デレバレッジの成果だと思います。経済成長を犠牲にしてでも無用な投資を抑え、新しい産業への投資に集中してきたといえます。

しかし問題は、新しい産業への投資が必ずしも効率的ではないように見えたことです。経営が順調な国営企業を強化した結果、民間企業が活躍する場を減らされてしまう、といった懸念の高まりが、株価低迷にも影響していたと考えられます。

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最終更新:2/4(月) 6:10
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