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【平成の事件】佐世保・小6同級生殺害「普通の子」と凶行の落差埋まらず 今も解けぬ心の闇

2/4(月) 10:01配信

西日本新聞

 「平成」が間もなく終わろうとしている。テクノロジーの進化で暮らしが豊かになり、多様な価値観が受け入れられるようになった一方で、数々の事件が起きた時代でもあった。九州では2004年(平成16年)に長崎県佐世保市で、小学6年の女児=当時(12)=が同級生に殺害される事件が発生した。この事件は私たちに何を残したのか。当時取材した西日本新聞の記者が、再び現地を歩いた。

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 午前の仕事が一段落し、昼食を取ろうと街に出た時だったと思う。突然鳴り出した携帯電話の向こうで、上司の声が上ずっていた。

 「小学校で女の子が切りつけられたらしい。すぐに現場に行ってくれっ」。2004年6月1日、長崎県佐世保市立大久保小学校。校門前にはすでに規制線が張られ、駆け付けた保護者たちで騒然としていた。

 6年女児、同級生、カッターナイフ、首を切って殺害…。断片的な情報からも、ただならぬ事態を想像できた。被害者は、同じ新聞記者として顔見知りだった毎日新聞佐世保支局長、御手洗恭二さん(60)の長女=当時(12)=だった。

 前年には「駿ちゃん事件」と呼ばれる中1男子による幼児誘拐殺害事件が起きていた。1997年の神戸連続児童殺傷事件、2000年の西鉄バスジャック事件…。少年事件の凶悪化、低年齢化が叫ばれる中、ついに小学生までが手を染めた凶行。「うそだろ」。私の頭は混乱した。

 加害女児はインターネット上にホームページを開設。中学生同士が殺し合う小説「バトル・ロワイアル」をモチーフに実際の同級生らしき人物が登場する不気味な文章を残していた。理解困難な女児の内面は、いつしか「心の闇」という言葉でくくられるようになった。

 事件ではもう一人、心をずたずたに引き裂かれた少年がいた。御手洗さんの次男で被害少女の兄。当時中学3年生で現在29歳。事件から14年間、開いた心の穴はふさがっていないという。

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最終更新:2/4(月) 16:11
西日本新聞

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