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インフルエンザ 猛威 集団感染対策に苦慮 専門家「早い感染の察知と地道な予防 重要」

2/4(月) 6:02配信

上毛新聞

 インフルエンザが群馬県内でも猛威を振るっている。直近1週間(1月21~27日)の群馬県の1医療機関当たりの患者数は警報の基準(30人)の2倍近い58.02人。1月には前橋市や伊勢崎市の病院と高齢者福祉施設で集団感染が発生し、患者の死亡も相次いだ。こうした施設は感染防止に取り組むが、人の出入りを遮断するのは困難で対応に苦慮する。専門家は「できるだけ早い感染の察知と地道な予防が重要」と指摘する。

◎対策進めるも「やれることは何でもやっている。気が抜けない」

 昨年3月、インフルエンザの集団感染が発生した伊勢崎佐波医師会病院(伊勢崎市)。再発防止策として、新規の入院患者の詳しい容体を共有し、院内の発症者の人数や程度に応じた対策をマニュアル化した。

 感染拡大を防ぐ鍵は発症の早期察知だが、職員への予防接種や面会制限をしても、発症者の感染経路が特定できないケースがある。担当者は「やれることは何でもやっている。気が抜けない」と打ち明ける。

 同病院と同じような集団感染が、1月には県内で相次いだ。前橋市の高齢者施設では基礎疾患の悪化などにより、高齢入所者計5人が死亡。入所者80人のうち、35人が発症していたという。伊勢崎市の高齢者福祉施設でも、職員と入院患者計23人が集団感染し、80代男性が死亡した。

 県や保健所によると、入院患者や施設利用者の感染を防ぐには、施設内で発症者に関する情報共有の徹底が必要という。加えて施設外からウイルスを持ち込ませないよう、面会制限の対策も重要としている。

 多くの施設が面会制限や発症者の隔離、共有スペースの閉鎖などの対策に取り組む。ただ、学級・学校閉鎖などの対応が可能な学校と違い、「高齢者施設は生活の場であり、面会を全て制限するのは難しい」(県介護高齢課)。現場からも「できる限りのことをしても感染者が出る。職員が発症して休めば、施設が回らなくなる」(県内の高齢者施設)と悲鳴が上がる。

 群馬大医学部附属病院感染制御部の徳江豊部長によると、インフルエンザは発熱などの症状が出る前に、感染者からウイルスが出ており、拡大を防ぐのは難しい。集団感染対策として効果があるとされる健康な人への治療薬の予防投与は症状が出にくくなり、早期発見にはつながらない可能性があるという。

 「いつ、誰が感染しているのかを見極めることは難しいが、できるだけ早く感染を察知することが大事。予防接種やマスク着用、手洗い、うがいなど地道な予防が重要だ」と指摘している。

最終更新:2/4(月) 6:02
上毛新聞

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