ここから本文です

ミカンは出荷停止、イチゴも一騒動…韓国、日本産果物に“照射”!? 無断栽培、第三者譲渡…次に危ないのは「動物」か

2/5(火) 16:56配信

夕刊フジ

 日本ブランドの果物が韓国など海外に流出し、無断栽培や交配が行われる事態が拡大している。ミカンでは韓国農家の生産品が出荷停止となった一方、日本起源の韓国産イチゴが日本の大型スーパーで販売された。専門家は「産業スパイはどこにでもいる」と警鐘を鳴らす。

 韓国紙、中央日報(日本語版)は昨年12月、済州島の農家が栽培した日本のミカン品種「あすみ」「みはや」が韓国で出荷停止になったと報じた。

 日本の農林水産省研究企画課の担当者は「韓国で品種登録を出願していたため停止する状況になった」とみる。四国や九州などで栽培されている日本の品種がかろうじて守られた形だ。

 両品種を開発し、2017年12月に韓国に品種登録を出願したのは国立研究開発法人、農研機構。同機構の担当者は「開発した品種を適切に保護する目的で登録を行った」と話す。

 イチゴも一騒動となった。韓国に流出した日本産の品種「レッドパール」と「章姫」を交配したものとされ、韓国で12年に品種登録された「雪香(ソリャン、またはソルヒャン)」が昨年12月14日から今年1月3日の間、イオン北海道の31店舗で販売されていた。同社は夕刊フジの取材に「法的な問題はない」とした上で、日本品種の無断栽培との批判について「販売者なので答える立場にない」と回答した。

 昨年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪では、カーリング女子日本代表の選手が韓国産イチゴを食べて話題となったが、斎藤健農水相(当時)は「以前に日本から流出した品種を基に、韓国で交配されたものが主だ」と指摘した。韓国は12年までイチゴを品種保護の対象外としていた。

 UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)では、海外で品種登録できる期間について規定があり、自国内での譲渡開始から4年以内、ミカンやマスカットなど木本(もくほん)性植物などは6年以内と定められている。

 この登録期間を逸してしまったのが、ブドウの高級品種「シャインマスカット」だ。「今から権利を保護するというのは制度上できない」(前出の農水省担当者)という。開発元の農研機構は「国内で登録し、販売者に海外に譲渡しないよう伝えたが、中国や韓国などで無断栽培されていると知った」と話す。

 日本のシャインマスカット農家も「日本産を喜んで買ってもらっているが、台湾や中国向けの輸出も多い中、韓国産も伸びてきており、将来的に競争相手になるだろう」と不安を隠さない。

 日本の品種が国外に流出する経緯については、一部生産者に利用を許諾したものが第三者に渡るケースのほか、「種などはポケットに入れるなどして持ち出されやすい」(関係者)という。

 農産物の保護が万全ではない背景を、農業の知的財産権に詳しい東京理科大学専門職大学院の生越(おごせ)由美教授はこう解説する。

 「自分たちで新種の価値を認識していないこともあるが、自治体なども研究開発に注力する一方で権利面を忘れたとか、予算を組まなかったなどの事例も聞く。海外での品種登録の場合、国によって異なるが150万円程度の費用もかかるので、開発者が個人の場合は負担も大きい」

 生越氏は植物以外の日本ブランドの流出にも懸念を示す。「次に危ないのは動物だ」と語る。

 「和牛の遺伝子が過去に米国や豪州、ニュージーランドを経由して中国に渡り、品種改良されているとも聞く。豚や比内地鶏、名古屋コーチンなども要注意だ」

 対応策はあるのか。

 「産業スパイはどこにでもいる。『狙われている』と認識することが重要だ。政府には海外での出願のサポートのほか、アジア圏での登録機関を作るなどの努力が求められる」と生越氏は提言する。日本ブランドを守る戦いも後には引けない。

最終更新:2/5(火) 16:56
夕刊フジ

あなたにおすすめの記事