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8500万円、県警幹部らが穴埋めへ 広島中央署金庫盗難

2/5(火) 12:11配信

毎日新聞

 広島県警広島中央署(広島市中区)の会計課の金庫から詐欺事件で押収された現金8572万円が盗まれた事件で、県警は幹部や職員互助会など内部で広く資金を集め、盗まれた金を補填(ほてん)する方針を固めた。前代未聞の事件は内部犯行の疑いが強いが、2017年5月の発覚から2年近く未解決。詐欺事件の被害者救済に使われる可能性がある金で、県費(税金)による穴埋めは理解を得られないと判断した。

 捜査関係者によると、所属長級以上の警視正や警視らを対象に役職に応じた金額を提示し、金を集め始めている。福利厚生などのため県警の全職員が加入している県警察職員互助会、OB組織の拠出金なども充てる方向で調整している。

 盗難に遭った現金は、生前贈与を持ちかけて手数料名目で現金を詐取したとされる事件の証拠品。詐欺と組織犯罪処罰法違反の罪に問われた男性被告(35)=広島地裁で公判中=の関係先から17年2月に押収され、広島中央署の会計課の金庫で保管していたが、同年5月に盗難が発覚した。

 被告の判決で押収した金が犯罪被害財産と確定すれば、被害回復給付金支給制度に基づき被害者に返還されるはずだった。県警は内部犯行とみて延べ3万人近い捜査員を投入したが、事件解決に至らず、現金も見つかっていない。

 県費による補填も検討された。しかし、発覚直後から県警には市民から多くの批判が寄せられた。県議会でも防犯カメラの未設置など管理の甘さを指摘する声が相次ぎ、当時の県警本部長が「県民の信頼を著しく損なった」と謝罪した。こうした状況から、県警は盗まれた金の補填に税金を投入するのは困難と判断した。

 5日に開かれた県議会の委員会でも盗難事件が取り上げられた。議員から「なぜこのタイミングで内部補填なのか。捜査を断念したのか」と質問され、県警の宮尾豪範総務部長らは「警察施設内での発生を重く受け止め、さまざまな可能性を見据えて準備している。事件解決に向け捜査に全力で取り組みたい」と答えた。

 ある県警幹部は「警察として責任を感じており、しっかり対応したい」と話し、別の幹部は「自分が悪いことをしたわけではないが、組織の問題。金を払うのは仕方ない」と漏らした。【小山美砂、隈元悠太】

最終更新:2/5(火) 13:04
毎日新聞

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