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「RPAで40万時間削減」を掲げた損保ジャパン、導入後1年でどれだけ削減できたのか?

2/6(水) 10:01配信

ITmedia エンタープライズ

 ソフトウェアロボットによる業務自動化「RPA」。昨今はさまざまな業界で導入が進んでおり、特に契約書など書類絡みの業務が多い金融・保険業界では、大規模なプロジェクトを進めて成果を挙げている企業も少なくない。

RPA導入プロジェクトの流れ

 約2万6000人の従業員を抱える「損保ジャパン日本興亜(以下、損保ジャパン)」もそんな企業の一つだ。2018年2月にUiPathの導入を発表し、年間40万時間以上の時間創出を目指すと宣言した。導入から約1年でどれだけの成果が挙がったのか。同社はUiPathのイベント「UiPathForward Japan 2019」でその進捗を発表した。

損保ジャパンが「UiPath」を選んだ理由

 損保ジャパンがRPAの導入に向け、本格的に動き出したのは2017年に入ってからだ。全社的な業務改革を進める中で、いわゆる「ルーティン業務」を削減する一つの手段として検討し始めたという。

 「デジタルトランスフォーメーションや海外展開を見据えて、ゼロベースで全業務の棚卸しを行うことに決めました。『常に業務の無駄を省き、本部の指示待ちにならずに主体的に動く』という企業文化の改革や、業務のサイロ化や縦割りの風習をなくすことも大きな目標です」(同社 業務改革推進部 企画グループ リーダー 齋藤隆史さん)

 ビジネス上、付加価値の高い業務を『価値創造業務』と定義し、この価値創造業務に使える時間を増やすことが、生産性向上のKPI、すなわちRPA活用のKPIになっている。

 2017年の6月から約2カ月にわたってPoCを行い、自社システムとの親和性や効果検証を実施。その結果を基に、情報システム部門が主導で、機能やサポート体制などの観点から製品を比較した。最終的にUiPathを選んだのは、PC稼働型とサーバ管理型、双方が満足に使えることが大きかったという。

 「PC稼働型は投資も少なく、効果が分かりやすいですが、われわれのような大企業の場合、最終的には管理がしやすいサーバ管理型にする必要があると考えました。そのため、導入の初期段階ではPC稼働型を中心に使い、その後サーバ管理型へと移行して、管理体制を整備するというシナリオを立てたのです。またユーザーが多く、横のつながりがあることも魅力でした。今回の導入では、電通デジタルの方などからのアドバイスに助けられた場面が多かったです」(齋藤さん)

 その後、「各拠点の管理部門の業務を、本社にまとめて効率化する」という経営判断もあり、2017年11月に本社の総務部門からRPA導入を開始。現場のリーダーを集めて、RPAで代替できる業務がないかをヒアリングし、効果の高い案件を中心にロボットの開発を進めていった。

 本プロジェクトは導入初期の段階までは、情報システム部門が主導していたが、同社は2018年4月に新しく「業務改革推進部」を設立し、プロジェクトの主管を新部署に移した。

 業務改革推進部は、RPAのみならず、AIなどのデジタル活用による生産性向上をミッションとしており、ユーザー部門やIT部門とのコミュニケーションに加え、RPA開発ベンダーの窓口役も担う。全社横断で集められた、いわゆる「CoE(Center Of Excellence)」で、ユーザー部門とIT部門、両方の人材が所属している。

 RPAというと、ユーザー自身にソフトウェアロボットを作らせるケースも多いが、損保ジャパンでは、開発はベンダーに集約している。その理由は「社員のITリテラシーや教育コスト、ガバナンスなどを鑑みた結果」(齋藤さん)とのことだが、今後はユーザー部門による開発も検討しているという。

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