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スターバックス元CEOの嫌われっぷりを加速させる「大迷惑」な挑戦

2/7(木) 7:30配信

ITmedia ビジネスオンライン

 今、米国の有名企業経営者の動向が大騒動になっている。

 1月27日、米コーヒーチェーン大手Starbucks(スターバックス)のハワード・シュルツ前CEO(最高経営責任者)が、2020年の米大統領選に出馬する意向であることを明らかにした。リベラルとして知られるシュルツは、過去2回の大統領選でも民主党から出馬する可能性が取り沙汰されたが、結局、一度も出馬することはなかった。だがここにきて、大統領選に出るのだという。

【世界中に広がったスタバ】

 しかも、民主党からではなく、インディペンデント(無所属)として出馬すると主張したことで、大きな議論に発展している。

 そもそもシュルツは、スターバックスの創業者ではない。1971年に生まれたスターバックスを、別のカフェ経営者だったシュルツが87年に買収し、そこから一気に拡大した。日本をはじめ世界中でスターバックスのコーヒーを飲めるようになったのは、世界的なブランドに育て上げた彼の手腕によるところが大きい。そして2018年6月にCEOから退き、家族との時間を取り、本を執筆すると述べていた。彼の総資産は34億ドルと言われている。

 そんなシュルツの出馬は、米国人、とりわけ、ドナルド・トランプ大統領を支持しない有権者の多くにとって、「大変な迷惑」となる可能性が高い。民主党をはじめとする有権者の6割近くは、次の選挙ではトランプを本気で引きずり降ろそうと狙っているのだが、シュルツが出馬すればトランプが優位に立つことになると恐れている。スターバックスを世界的なブランドに育てたカリスマ経営者のシュルツはもともと方々から嫌われていたが、今、まさに反トランプ勢からも四面楚歌の状態になっている。

 シュルツはそもそもどうしてそんなに嫌われているのか。そして、なぜ今回の出馬表明に批判の嵐が起きているのか。

次の大統領選もトランプが勝利する?

 米国ではすでに、20年の大統領選がスタートしていると言える。

 最近のトランプの言動も続投を目指すことが動機になっている。彼のとっぴな言動も、背景に「20年の大統領選を意識している」と見ると分かりやすい。メキシコ国境の壁も、中国との貿易戦争も、全ては次期大統領選に向けたアピールに他ならない。中国の華為技術(ファーウェイ)をたたくのも、北朝鮮の金正恩委員長と会談をするのも、全ては次の大統領選に勝利するためだ。

 最近、日本の政府関係者との会話の中でこんな話になった。「次の大統領選もトランプが勝利するんじゃないですか。だって、(対抗馬である)民主党には、あと2年しかないのに有望な候補者すら見えてこない。またトランプが4年やるのでしょうかね……」

 政府間でいろいろと下準備をしても、トランプの一声でひっくり返される可能性を恐れる外国政府は、予想不能な傾向にあるトランプの言動にやきもきしている。さらに今後4年も大統領でいられては苦労が続くのは明白だ。

 ただ「選挙まであと2年しかないのに民主党に有力候補が一向に出てこないではないか」と心配するのは、米国政治を知らなすぎると言っていいだろう。というのも、歴代、民主党というのはまとまりにくい党であり、大統領になる候補は多くが選挙直前に有力候補として勢いよく浮上してくるからだ。ビル・クリントン、バラク・オバマがいい例だ。

 だが珍しい例外は、前回のヒラリー・クリントンだった。前回の選挙では、数年前から次はヒラリー・クリントンしかいないと期待の声が上がっていたが、見事に惨敗している。つまり今の時点で取り沙汰される候補は、民主党の大統領候補にすらなれない可能性が高い――。そんな風に米国の政治専門家らは見ている。

 そんな状況の中で、出馬に意欲を見せたシュルツ。だが案の定、彼が勝利することはまったくないと、方々から指摘されている。なぜなら、米国が世界に誇る巨大カフェブランドを率いたシュルツは、なぜか米国、特に地元であまり良く思われていないからだ。その証拠に、最近発表された米調査会社の世論調査によれば、共和党・民主党・無所属の支持者全体で、シュルツを支持すると答えたのはわずか4%。民主党支持者ですら、50%はシュルツを支持しないという。

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