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実写とアニメが融合した“東アジア文化都市2019”プロモ映像が完成

2/7(木) 18:05配信

ぴあ映画生活

東京の豊島区が、今年の“東アジア文化都市2019”の開催地に選ばれ、今月1日に開幕式を迎えた。本イベントは日本、中国、韓国で現代の芸術文化や伝統文化に関するイベントを開催するもので、11月まで豊島区の各地で様々な催しが予定されている。そこで『ハード・コア』や『味園ユニバース』の山下敦弘監督と、『花とアリス殺人事件』のアニメーションを手がけた久野遥子監督がタッグを組んだプロモーション映像が制作された。

今回のプロモーション映像は、山下監督が実写で映像を撮影し、久野監督が”ロトスコープ”と呼ばれる技法でアニメーションを描いたもの。区の担当者から依頼を受けた久野監督が以前から面識のあった山下監督に声をかけて制作がスタートしたという。「以前から実写パートが僕で、アニメが久野さんでいつか作品をやりたいねという話はしていたので、この話が来て一緒にやることになりました」(山下監督)。「ロトスコープではあるんですけど結局はカメラに映ったものがすべてなので、何の知識もない人が撮ると、それを画に起こしたところでいいものにはならないんですね。山下監督の作品は画に起こしても魅力が変わらないで残ると思ったのでお誘いしました」(久野監督)

完成したプロモーション映像には、豊島区の様々な場所が登場する。「久野さんとスタッフと豊島区の方と1日かけて見てまわって、その段階で構成はできていたと思います。その時に話していたのは”池袋って基本は人だよね”ってことです。そこで暮らしている人がいて、生活があって、その下に街がある。実際の撮影では実景もたくさん撮ったんですけど、最終的には人物のいる画だけが残って、自分は実景を撮るのが苦手だったりするので、そういう意味では見事に自分のクセが出た感じはします」(山下監督)。そこに久野監督は淡い色合い、柔らかい輪郭の線でアニメーションを描いていった。「集団でつくる場合は”ぼんやり”した線にしてしまうとたくさんの人では描けないので、自然と背景も人物のパキッとした絵づくりにすることが多いのですが、今回は信頼を置ける少人数のスタッフたちと作ったので曖昧さが残ったものができると思ったんです」(久野監督)

その際に久野監督は「山下監督の意図は失いたくはなかった」という。「映像に出てくる女の子は、実写の子役の表情や可愛さはなくさないようにしたいなと思いつつ、画としても可愛いもの、実写が基にあることを知らなくても可愛く見えるバランスをとることが一番大切にしていたことですね」(久野)。ちなみに劇中に登場するバスから見える風景は山下監督が「100パーセント、久野さんに丸投げした(笑)」シーンだ。「だから自分でもあのシーンを観るのが楽しみでしたし、ああいう要素があることで、作品が広がったというか、流れやうねりができたので、すごくいいシーンだと思いましたね」(山下監督)

今回の映像は短い時間の作品だが、今後、ふたりが再タッグを組む可能性があるかもしれない。「この映像の前にやった映画(『ハード・コア』)は自分の思い入れが強すぎて、自分が引っ張っていかなきゃってテンションで作ったんですけど、今回みたいに一緒に作り上げていくと、自分の中にも”良い余白”があって、非常にいい力の入り具合だったと思います。もちろん、相手が久野さんじゃなかったら、こんな風にはいかなかったかもしれないですけど」(山下監督)。「山下監督の映画が好きなので、単純にうれしいというのはありますし、山下監督は実写だから生きること、アニメだから生きることがわかっていて、アニメを仕事をしている方と変わらないような観点をもってらっしゃいました。実写の監督がこんな風にお話ができる方ばかりではないと思いますので制作する上では本当に助かりました」(久野監督)

なお、11日(月・祝)まで豊島区本庁舎では“区庁舎がマンガ・アニメの城になる”と題した展示が行われており、その後も、現代演劇、古典芸能など公演や各種イベントが多数予定されている。

最終更新:2/7(木) 18:05
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