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「産まない女が問題」麻生発言の陰で、増え続ける“未婚シングルマザー”

2/8(金) 7:30配信

ITmedia ビジネスオンライン

 最近、女性を対象にした講演会やセミナーの講師に呼ばれると、「シングルマザーが増えたなぁ」と感じることが多くなりました。講演後の質疑応答や、受講者との懇親会で「私はシングルマザーなんですけど……」と前置きした上で、会社や世間から注がれる“まなざし”の厳しさを訴える女性が相当数存在するのです。

【グラフ】未婚のシングルマザー数の推移

 総務省によれば、シングルマザーの総数は約110万人(2015年時点)で、世帯の区分別にみると、他の家族とは一緒に住んでいない「母子世帯」が75万5000人と全体の7割強を占めています。

 年齢別では「40~44歳」が28.5%と最も多く、次いで「35~39歳」(21.7%)、「45~49歳」(18.2%)と、比較的高めであることが分かります。

 また、シングルマザーの数は2000年から05年にかけて増加したものの、それ以降はほとんど変わっていません。しかしながら、「未婚のシングルマザー」に限ってみると……。

 00年に約6万3000人だったのが15年には約17万7000人となり、3倍近くに急増しているのです。

 実は私が「最近増えたな」と実感しているのが、まさにこの「選択的シングルマザー」たち。経済的にも精神的にも自立していて、結婚せず母親になることを選択した“ワーママ”です。

「選択的シングルマザー」へのまなざしは冷たい

 選択的シングルマザーは「Single Mother by Choice=SMC」の和訳で、アメリカの心理療法士ジェーン・マテス氏が今から40年近く前の1981年に使ったのがきっかけで、世界中に広がりました。

 「彼女たちは独身でありながら、母親になることを選択した人。心身共に成熟した大人の女性であり、責任感にあふれている。そして、シングルマザーになったことについて、被害者意識をもつのではなく、むしろ力づけられたと思っている人たちである」と、マテス氏は選択的シングルマザーを評します。

 「選択的シングルマザーなんて!!」と目を釣り上げている人も多いかもしれませんが、世界では決して珍しい存在ではありません。特に2006年に民法を改正し、婚外子も婚姻関係から生まれた子と同一の権利が得られるようになっているフランスでは、社会的に広く認知され、偏見のまなざしは存在しません。

 それでもやはり「選択的夫婦別姓」でさえ反対意見が多い日本ですから、彼女たちに注がれるまなざしは半端なく冷たい。いや、それだけなら「選択的」に未婚を選んだ女性も我慢できるかもしれません。問題は「未婚」というだけで、会社を辞めなくてはならないリアルです。

 実際、私がインタビューした43歳の女性もそうでした。

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