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東洋アルミ、蒲原製造所で日本初のアルミ箔限定連鋳機本稼働

2/8(金) 6:04配信

鉄鋼新聞

 東洋アルミニウム(本社・大阪市中央区、社長・山本博氏)・蒲原製造所(静岡市清水区)の連続鋳造機(CC鋳造機、CC)が本格稼働を開始した。アルミ箔限定のCCは日本初。従来の半連続鋳造(DC鋳造工程、DC)では製造できないハイスペック分野において新製品の開発や製造に活用する。

 工事は昨春に着工、昨年10月23日に竣工式を行い、11月から稼働していた。6日はマスコミを対象に見学会を開催した。設備投資総額は建物を入れて約9億円。
 CCはアルミ溶湯から厚さ数ミリメートルのアルミ板を一気に製造できる設備。従来のDCに比べ約100倍の冷却速度を持つことが一番の特徴だ。CCでは溶湯を急速冷却するとともに圧延して一気にアルミ板とするため、含有元素の固溶量が非常に多い。
 このため再固溶のためのソーキング(内部組織を均一化させるための焼きなまし処理)と板厚までの熱間圧延が不要となる。凝固時の冷却速度は現行のDCに比べて非常に速いため、従来では不可能なレベルの材質設計が可能となる。
 鋳造工場建屋は約1540平方メートル。設備は25トンの溶解能力を持つ溶解保持炉とCCで構成。溶解保持炉と連続鋳造機は壁で2室に仕切られている。CCは中国(タク)神公司製。量産機能を持つテストプラントとして建設した。溶解保持炉は溶湯永磁攪拌機を採用、CCは脱ガス処理機およびフィルター付き。出側は板切断、巻取機をラインに組み込んだ。
 見学会で上田雅通取締役副社長執行役員は「当社4事業の内で箔は人員、売上高、利益で最大であり最も成長させたい事業。蒲原のCCが成功し、2号機、3号機が導入できるよう注力したい」と挨拶した。
 多田仁専務執行役員箔事業本部長は「中国メーカーに勝つためには開発のスピードが重要。18年度が立ち上げ、19年度が製品開発、20年度以降に商品化というスケジュールで取り組む」と話した。
 東洋アルミの箔事業の売上高は約500億円で、八尾(アルミ箔の年産約2万トン)・蒲原・千葉(アルミ箔の年産各約1万トン、3事業所合わせて約4万トン)で製造している。リチウムイオン電池の外装材の国内シェアは7~8割。「CC自体の歴史は古く、中国では数えきれない規模で稼働しているが、その主眼は低コスト高生産性にある。我々はその急速冷却能力を生かした高品質な新製品の開発を進めていく」(松岡洋蒲原製造所長)。

最終更新:2/8(金) 6:04
鉄鋼新聞

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