ここから本文です

「出国禁止は何のため?」 日本に閉じ込められた記者の思い

2/8(金) 7:05配信

BuzzFeed Japan

返納命令の妥当性は?

内戦が続き、市民の食糧危機が深刻になっている中東イエメン。そこを取材しようとしたジャーナリストの常岡浩介さん(49)が2月2日、外務省からパスポートの返納命令を受け、出国できなくなった。


常岡さんは現地の情勢をどう判断し、何を取材しようとしたのか。BuzzFeed Newsは常岡さんと、常岡さんと同行するはずだった台湾人記者らに取材し、今回の返納命令の妥当性を検証した。【BuzzFeed Japan/貫洞欣寛】

取材に向かう経緯

紛争地取材を専門とする常岡さんは以前から、2015年に始まった内戦で深刻な人道危機に陥っているイエメンの状況に関心を寄せていた。

イエメンは日本の外務省が全土に退避勧告を出している。在イエメン日本国大使館も2015年2月から一時閉館している。

取材のリスクはゼロではない。とはいえ、そこでは市民の暮らしが続き、危機が深まる。各国の記者や援助スタッフも活動している。

伝手を頼って2018年暮れ、正規のイエメン入国ビザを取得した。

隣国オマーンから陸路でイエメンに入るという計画を立て、現地での交通手段や通訳も確保した。経由地オマーンのビザも取得した。

1月14日にマスカット空港からオマーンに入り、知人で台湾のテレビ局記者と現地で合流し、一緒にイエメンを目指す予定だった。

取材の目的は

イエメンでは、内戦で物流が寸断され、2000万人が飢餓の危機に瀕している。内戦に介入したサウジアラビア軍の空爆などによる市民の被害も深刻だ。そして、公共の医療体制はほとんど崩壊している。

常岡さんは、市民が置かれた状況を取材しようとしていたという。国連機関「世界食糧計画(WFP)」と、国際医療NGO「国境なき医師団(MSF)」に連絡を取り、イエメンでの取材の約束を取り付けていた。

イエメンで市民をなんとか支えているのが、食料配給を担うWFPや、医療を無料で提供するMSFだ。そして両組織とも、複数の日本人スタッフが現地に駐在し、活動を続けている。

常岡さんは、厳しい状況に置かれた市民や、現地で汗を流す日本人の姿を日本に報告しようとしていた。

なお、日本政府はイエメンへの食料支援には積極的で、2018年はWFPに17億円を拠出している。

1/6ページ

最終更新:2/8(金) 7:49
BuzzFeed Japan

あなたにおすすめの記事