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人口10万人あたり統計職員 英国の5分の1 業務も分散し非効率

2/9(土) 19:00配信

産経新聞

 各国政府の統計職員数について、人口10万人あたりで比較した場合、日本は2・1人と米国の半分以下、カナダや英国の5分の1以下と、諸外国と比べて大幅に少ないことが9日、分かった。職員数が少ないにもかかわらず、日本は統計作業を各省庁が行い、人手も必要な「分散型」の仕組みを取っており、専門家からはこうした非効率な体制が毎月勤労統計など不適切調査の背景にあるとの指摘も出始めている。

【表で見る】勤労統計不正をめぐる主な経緯

 総務省統計局が平成29年に行った各国への聞き取り調査では、日本が2613人なのに対し、米国が1万4533人▽英国が6544人▽フランスが2761人▽ドイツが1664人▽カナダが5039人-だった。

 人口規模が異なるため、各国の統計職員数を人口10万人あたりで比較したところ、13・9人のカナダが最多で日本の6・6倍に上り、英国(10・5人)は5倍、米国やフランスも2倍以上だった。ドイツは中央政府だけを比べれば日本と同水準だが、各州に計六千数百人の統計職員が配置されているといい、日本は極端に少ないのが実情だという。

 取り扱う統計の種類や数が異なるほか、国によってはパート職員を含めるなどしており単純比較はできないが、同局の担当者は「大まかな傾向はつかめる」と話す。

 近年も日本の統計職員は減少傾向にあり、厚生労働省や経済産業省などは10年間で1割以上減少。政府関係者は「公務員の人件費に対しては抑制圧力が高まっており、統計職員にしわ寄せがきている」と話す。

 ただ、神奈川大学の飯塚信夫教授は「問題は人員の少なさだけではない。統計不正問題では各省庁が統計を行う『分散型』の限界が露呈した」と指摘する。

 統計は国によって日本や米国のように各省庁がそれぞれ行う「分散型」と、カナダのように一つの機関が代表して行う「集中型」がある。分散型は、行政ニーズに迅速・的確に対応できるといったメリットがある一方、それぞれの統計部門が小規模になり、統計以外の部署に異動することも多く、統計の専門家が育ちにくいといった欠点があるという。

 毎月勤労統計の不正問題では、初歩的なミスやチェック機能が働いていなかったことが問題となった。飯塚教授は「今の数倍の人員がいれば分散型でもいいが、人を増やせないなら集中させることを検討すべきだ」と話す。

 ただ、「業務を集中させることで、さらなる人員削減が行われる可能性がある」(関係者)との見方から、統計職員の間では集中型への移行に後ろ向きな意見は少なくない。

最終更新:2/9(土) 22:36
産経新聞

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