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日系社会の遺産調査3 サンパウロ市制400周年で建設の「日本館」

2/9(土) 7:12配信

サンパウロ新聞

 サンパウロ(聖)市イビラプエラ公園内にある日本館は1954年、聖市制400周年時に同公園造成とともに建立された。

 同公園の設計は建築家オスカー・ニーマイヤーと造園家プレレ・マルクスが、日本館の設計は東京大学教授の故・堀口捨巳(すてみ)博士がそれぞれ担当し、京都市西京区桂にある桂離宮をモデルとして建築された。

 日本館は日本の伝統的な建築様式を踏襲して建てられ、桂離宮と同じ住宅様式「書院造」になっており、茶室は茶道家の裏千家が南米に支部を開ける際に開設された。

 日本の宮大工により、日本で全ての型組を一度組み立ててから解体し、ブラジルに運ばれて再度組み立てて施工された。老朽化に合わせた柱の補強などは、尻継ぎという伝統工法で行われ、岐阜県所在の中島工務店が全て担当している。

 館内の渡り廊下の両脇には枯山水の庭園が造成され、聖州の海岸山脈に自生する植物が約15種類植えられている。

 展示室には、開館時の記念展で日本から寄贈された歴史上貴重な文化財や伝統工芸品など50数点の美術品が展示されており、文化庁の担当者が視察に訪れることもあるほど。

 80年5月には、ブラジル錦鯉愛好会の協力で池に錦鯉が放たれ、現在は300匹以上の鯉が泳いでいる。

 97年にはサンパウロ市の文化財に指定され、建物の管理と各種イベントの企画、運営は当初からブラジル日本文化福祉協会に一任されている。

 同館は、来伯した日本の要人らが必ず視察に訪れる場所で、開館時から60年間以上にわたって管理に携わっている伊藤誠施副運営委員長(79歳、秋田県出身)らが同館の歴史を伝えている。(つづく)【戸田和敬】

サンパウロ新聞

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