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高齢者の6割が健康に不安 自治体「地域体操」ユニークな取り組み

2/10(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【70歳の不安に勝つ】

 人生100年時代、就労の分岐点を70歳に設定している人が半数を占める。「それから先は悠々自適に」というイメージだろうが、そのためには健康第一。実は肝心の健康について不安を感じている人が少なからずいる。

 内閣府の「平成27年版高齢社会白書」は「一人暮らし高齢者に関する意識調査」を行っていて、最も強い不安が「健康や病気のこと」で、約6割が心配する。4割が挙げる「介護状態」とともに不安のトップだ(複数回答のため合計すると10割を超える)。

 では、70歳の不安を乗り越えて、元気に暮らすにはどんな工夫をすればいいのか。「介護破産」の共著者で、淑徳大教授の結城康博氏(社会福祉学)は言う。

「ウオーキングやストレッチを定期的にやることです。例えば各自治体が行う体力づくりの取り組みに参加することは、他者とのコミュニケーションも図れるので、心身の健康につながります」

■98歳で400グラムの重りをつけ運動

 2018年度の「体力つくり優秀組織」として表彰された熊本県南関町は、人口9934人中、65歳以上が約4割の3704人。健康対策は現実の問題。地域ぐるみで筋肉をつける“貯筋運動”やリズム体操全身運動を推進している。たとえば、介護予防事業を行う「A―lifeなんかん」では、南関町に高齢者向けの「元気づくりシステム」を提案し活動する。

 地域の集会所などでコーディネーターが、運動器具を使わない筋力トレーニングやストレッチ体操などを週2回、1回90分行う。それを半年にわたって実施し、地域の人に運動習慣を定着してもらうようにしているのだ。11年には471回開催し、3875人が参加したが、17年には3792回、2万6215人に増加している。

 静岡市は、独自の取り組み「しぞ~かでん伝体操教室」を行う。米国国立保健研究所・老化医学研究所の〈50歳からの健康エクササイズ〉を参考に、理学療法士や作業療法士がメニューを作り、DVDの作成やユーチューブでも公開している。

「椅子に座って行うパターンと立位で行うパターンの2種類があります。各6つの運動の組み合わせで、手足に重りをつけて四股ふみをしたり、腕を前に出す運動をしたり。それらの運動の繰り返しで、日常に使う筋肉を鍛えるプログラムになっています」(静岡市役所地域リハビリテーション推進センターの作業療法士・丸山光夫さん)

 参加基準は、介護を必要としない健康な成人で、50、60代の定年を迎える前に体力づくりをしたいという人から、健康維持のために続ける高齢者が中心という。

「定年してから体づくりのためにカルチャーセンターに通われる方がいますが、『速い動きについていけない』『足腰を痛めた』と挫折した方の声も耳にします。しかし、『しぞ~かでん伝体操』は各自のレベルに合わせて、少しずつステップアップするので大丈夫。参加者の平均年齢は75歳で、最高齢は98歳です」

 最初は200グラムの重りからスタート。1年かけて500、600グラムの重りをつけて体操できるようになるという。何と98歳の方は400グラムつけているそうだ。

「ほかに、指や手足同時運動などで脳の活性化を図る体操や、口や舌を動かし、唾液の分泌や誤嚥を防ぐための体操も作っています。『階段の上り下りが楽になった』とか『旅行のツアーなどで集団の列に遅れなくなった』などの声をいただきます」(丸山さん)

 週1回、地域の会場でDVDを見ながら1時間半程度の運動をするだけ。昨年12月末で、130カ所、3193人が参加している。

 自分の住む地域のHPで確認してみよう。

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