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映画「洗骨」を撮った“ゴリ”こと照屋年之監督 「沖縄戦も描きたい」と意欲

2/10(日) 10:12配信

産経新聞

 沖縄の離島・粟国島に伝わる風習を題材にした映画「洗骨」が公開中だ。文字通り風葬された死者の遺骨を洗う奇習で、メガホンをとったお笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリこと照屋年之監督(46)が独自のユーモアとセンスで感動的な作品に仕上げた。

 粟国島で妻の死のショックから立ち直れない父親(奥田瑛二)のもとへ、4年後に洗骨の儀式のために2人の兄妹(筒井道隆と水崎綾女)が里帰りしてくる。この2人には私生活にそれぞれ問題があって…。

 照屋監督は「洗骨」をテーマにした自作の短編映画「born、bone、墓音。」(2016年)を自ら長編映画にリメークした。本編に「照屋エミに捧ぐ」と献辞が出るように、映画を作るきっかけは亡き母親だった。「母が死んだとき、線香を絶やさないように2日間ずっと一緒にいた。この人がいなかったら自分はいないと思うようになった」。当初から頭にあったという、命をつないでいくことの大切さを伝えるラストカットは必見だ。

 短編では自らが主役を演じたが「今回は演出に専念した。(自作に出演する英映画監督のアルフレッド・)ヒチコックのようにチラリと出ることも考えたが、(自作で主演を演じる北野)武さんほどのカリスマ性もないし」と言って笑う。

 沖縄の自然や人々の描写も見ていて楽しいが、なによりユーモアやギャグが所々に仕掛けられているのは“ゴリさん”ならではだろう。「コントの笑いは非日常でも可能。映画では日常のなかに笑いを作らなければならないのが難しい」。昨年4月に出品した第40回モスクワ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門では会場に笑いが起こり、「映画の表現やツボは同じだと実感し世界が広がった」とうれしそうだ。

 「これまで12年間で短・長編映画を撮ってきてこれが11本目」という。製作意欲はとどまるところをしらず、「次回作を撮り終えたばかり。沖縄国際映画祭に出す短編です」という。今後は「大作を撮るつもりはない。生活に根ざした映画を作っていく」と言いつつも「沖縄戦も描きたい。ただ自分が勉強不足なのでもっと勉強しなくては」と気を引き締めていた。

最終更新:2/11(月) 7:00
産経新聞

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