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ファーウェイ問題で欧州ジレンマ 5G整備で割れる

2/10(日) 21:48配信

産経新聞

 【ベルリン=宮下日出男】中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への対応で、欧州を舞台とした米中の綱引きが激しくなってきた。米国は安全保障上の懸念から同盟国への華為排除の働きかけを活発化。欧州を重要市場に持つ華為は抵抗に必死だ。狭間に立つ欧州は華為への警戒を強めるが、経済への影響を恐れジレンマも抱える。

 ポンペオ米国務長官は11日から欧州諸国を歴訪する。米当局者はこれに先立ち、ポンペオ氏が最初の訪問先、ハンガリーで「華為の存在感増大に懸念を表明する」と強調した。

 ハンガリーは近年、対中接近が顕著だ。オルバン政権は昨年、華為と第5世代(5G)移動通信システム整備で協力する覚書に署名した。米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国のハンガリーに警鐘を鳴らし、中国と引き離したい考えだ。

 米国務省筋はブリュッセルで5日、欧州連合(EU)や欧州各国に関係者を送り、華為排除を呼びかけていると明らかにした。同盟国の動きは米国の安全保障と密接に絡むため「欧州(の説得)は最優先だ」としている。

 一方、華為にとり、収益の約27%を占める欧州・中東・アフリカは中国国内に続く市場だ。欧州はその大半を占めるとされ、締め出しは大きな痛手となる。

 「根拠のない批判にわれわれは驚いている」。華為の欧州駐在幹部は7日、ブリュッセルで開かれた春節祝賀会で100人超の参加者を前にこう強調。関係機関の検査でこれまで問題は指摘されていないとし、安保上の脅威との見方に反論した。

 華為は懸念払拭のため、ブリュッセルや、社員がスパイ容疑で逮捕されたポーランドにセキュリティー関連施設を置く用意があると表明している。中国の張明EU代表部大使も1月末、英紙で華為への懸念が「ねつ造だ」と訴えた。

 欧州各国の対応も一様ではない。ドイツなどは華為製品の使用回避策を検討中だが、スロバキア政府は「脅威の証拠となる情報はない」と否定的だ。イタリア政府は5Gへの採用を禁じる方針と伝えた現地紙報道を「その意図はない」と否定した。

 華為製品がすでに普及した状況では、排除が難しいとの見方も根強い。米メディアは、華為製品を使えなければ、5G整備が「少なくとも2年」遅れるとする独通信大手の内部文書の内容を報じた。

 スウェーデンのエリクソンなどが華為の代替候補に上がるが、5G技術では華為より遅れ、コスト上昇も懸案だ。通信各社は、今月下旬にスペインで開く業界団体の会合で問題を議論する予定という。

最終更新:2/10(日) 21:48
産経新聞

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