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在韓米軍駐留費8%増 交渉妥結、協定期間1年に

2/10(日) 22:15配信

産経新聞

 【ソウル=桜井紀雄】難航していた在韓米軍の駐留費協定をめぐる米韓交渉が10日、韓国側負担の約8%増額で妥結した。トランプ米大統領が韓国に大幅な負担引き上げを求めたことによる米韓の確執を、米朝首脳再会談を前にいったん収めた形だ。ただ、協定の有効期間が5年から1年に短縮され、今後もトランプ氏の増額要求が続く可能性が高い。在日米軍の駐留費問題に波及する恐れもある。

 米韓の交渉代表が10日、ソウルで駐留費負担について取り決めた新たな特別協定に仮署名した。韓国側の負担額は昨年の9602億ウォン(約936億円)から8・2%増の1兆389億ウォンになる。今年度の韓国国防予算の引き上げ率を適用して算出した。韓国国会の批准などを経て発効する。

 協定の期限は本来、昨年末までだったが、交渉が難航。韓国メディアによると、駐留費負担で各国が「タダ乗り」していると不満を示してきたトランプ氏は韓国の負担倍増を求めたとされる。最終段階で最低10億ドル(約1097億円)を提示した米側に対し、既に駐留費の半分程度を負担している韓国は1兆ウォン未満を求めて平行線となった。

 問題は米側が昨年末に突然、「最上部の指針」だとして有効期間1年を持ち出したことだ。上半期中には次年の交渉に入らなければならず、常に増額圧力にさらされることになる韓国は難色を示したが、額を韓国側の要求に近づけることで米側が押し切った格好だ。

 期間を1年にした理由について、米側は各国の駐留費負担を総合的に見直す必要があるためだと説明したという。在日米軍の駐留費をめぐる今後の日米交渉にも影響する可能性がある。

 米韓交渉は妥結したが、今月下旬に予定される米朝首脳再会談でトランプ氏が在韓米軍の縮小などをカードに使うことへの懸念が韓国内でくすぶっている。昨年6月の初回会談で米韓合同軍事演習の中止を独断で決めた前歴もあるからだ。

 トランプ氏は最近、米テレビのインタビューで、在韓米軍の撤収を「計画していないし、協議したこともない」と強調する一方、駐留費の不満を口にし、「いつかは(撤収や縮小も)あり得る」と述べた。

 駐留費負担増を迫る米国について、北朝鮮もメディアで「南朝鮮(韓国)を友邦でなく、欲を満たす対象とみる米国の下心をはっきり示している」と非難し、揺さぶりをかけている。

【用語解説】米軍駐留費問題

 韓国に駐留する約2万8500人の米軍の維持費について、米韓は1991年から特別協定に基づいて分担してきた。トランプ米大統領は米軍駐留費の負担増を各国に要求しており、北大西洋条約機構(NATO)の事務総長は最近、欧州などの加盟国の防衛費負担を増額させる方針を示した。在日米軍の2021年度以降の駐留費をめぐる日米交渉も来年には始まる見通し。

最終更新:2/10(日) 22:15
産経新聞

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