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雌雄産み分け、腐りにくいトマト…加速するゲノム編集食品研究

2/10(日) 23:06配信

産経新聞

 ゲノム編集は、家畜や植物の品種改良で急速に利用が拡大。農畜産業の現場では商品化に向けた研究が加速している。

 厳重に管理された実験室で、元気に動き回るニワトリのヒナたち。見た目は普通のヒナと変わらない。「ゲノム編集技術を用いて全てメスになるかどうか調べています」。広島大の堀内浩幸教授(応用動物生命科学)は言う。堀内氏らはニワトリの生殖細胞のもとになる細胞でゲノム編集を行い、オス化に関わるとみられる遺伝子を無効化。成功すれば、将来的に雌雄の産み分けが可能になり、鶏卵業者にはメス、鶏肉業者にはオスが提供できるようになる。

 かつては何代にもわたり交配を繰り返す必要があった品種改良。1970年代に発達した外来遺伝子を組み込む「遺伝子組み換え」技術は「運任せ」の側面が大きかった。しかし、目的遺伝子をピンポイントで操作できるゲノム編集の登場で効率は飛躍的に向上。堀内氏は「研究の可能性の幅が広がった」と話す。

 収穫量の多いイネや腐りにくいトマト。養殖しやすいおとなしいマグロに肉量が多いブタ…。すでに多様な品種でゲノム編集を用いた研究が進んでいる。

 近い将来、こうした農畜産物が商品化される可能性があるが、安全性に対する懸念の声は今も強い。厚生労働省の専門部会は今年に入り、ゲノム編集技術を使った食品を販売する際は開発者の届け出や情報の公開が必要-などとする報告書案をまとめた。

最終更新:2/11(月) 13:27
産経新聞

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