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「愛人業」で生計を立ててきた58歳女性の本音「愛人とはヘルパーみたいなもの」

2/10(日) 16:10配信

DANRO

愛って究極の呪詛やと思います。愛してるからこうしてほしいとか、こうなってほしいとか、相手も自分も縛ってしまうんです――。「女性の自由と孤独」をテーマに、女装する小説家・仙田学がさまざまな女性にインタビューするこの連載。今回は、「愛人業」で生計を立ててきたアイリ(58)に話を聞いた。(仙田学)

【画像】58年の人生を感じさせるアイリの手

長年にわたる愛人生活

「いまの人とは、6年ほど続いてます。小さな会社の社長さんで、毎月30万円ほどいただいてます。不倫してお金をもらって生活してるって言うと、汚いことしてるって思われるかもしれません。でも、奥さんがお金をもらってるのに、なんで愛人の私ももらったらアカンのって話です。私のほうは明日喧嘩したらそれで終わりやし、何の保障もないんですよ」

アイリは真剣な目で私にそう訴えてきた。「愛人業」という仕事に強い誇りを持っていることがわかる。花柄のワンピースに、明るく染められた髪。カフェのテーブルに向かい合って座りながら、アイリは壁に少し肩を寄せかけていた。

30年ほどにわたって、アイリは何人もの既婚男性の愛人になり、金をもらうという生活を続けてきたという。しかし、最初に愛人になった男性からは、経済的な援助は受けていなかった。

「最初に愛人になったのは20代の頃。当時はスナックで働いてたんですけど、母親と折り合いが悪くて家を出たところを、あるお客さんがかくまってくれたんです。経営者で、すごく優しくてマメでした。妻子持ちでしたけど、私の他にも女性は何人もいました。その女性たちとの間に子どももいっぱい、サッカーチームを作れるくらいの人数がいたそうです」

愛人として5年ほど関係を続けた頃、アイリは妊娠する。すでに離婚していた相手の男性は、アイリと再婚することを選んだ。

「そのあたりから彼の会社は経営が傾きだして、多額の借金を負うようになりました。それでも女癖は治らず、しょっちゅう家を空けては遊びに行ってました。でもそんな女性たちからお金を用立ててもらったり、洗濯機や冷蔵庫をもらってきたり。いろんな愛人たちに養ってもらって生活してたんです。だから、私はその女性たちには感謝しています」

5年間に及ぶ愛人生活の間、アイリは経済的な援助を受けていなかった。むしろ、金や物を貢いできたという。他にもそのような女性たちが何人もいて、彼女たちは結婚後も援助を申し出てきた。つまりアイリの元夫は根っからのヒモ体質なのだろう。結婚はしたものの、アイリは実質的には鵜飼いの鵜の一羽にすぎなかった。

元夫の愛人たちからの援助はあるものの、それだけで暮らしていくこともできず、アイリは水商売以外の仕事をすることにした。子どもたちを寝かしつけた後、深夜から早朝まで弁当の製造の仕事をしたが、長続きはしなかった。家事、育児と仕事をひとりでこなすうちに、アイリは肉体的にも精神的にも疲れ果てていった。

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最終更新:2/10(日) 23:02
DANRO

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