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ジーザス&メリー・チェイン、衝撃のデビューアルバム『サイコキャンディ』

2/10(日) 18:00配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!』のアーカイブス。凶暴なノイズギターと甘美なポップメロディーの融合が世界中に衝撃を与えたジーザス&メリー・チェイン(以下、ジザメリ)が85年にリリースした、デビューアルバム『サイコキャンディ』をピックアップする。このアルバムがなければ、その後のロックシーンはずいぶん違うものになっていたかもしれない。マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ダイナソーJr.、ブラー――「ローラーコースター・ツアー」と銘打った91年のツアーに帯同したバンドの顔ぶれが、ジザメリの影響力の大きさを物語っている。
※本稿は2014年に掲載

ノイジーなギター×甘いメロディー

ジーザス&メリー・チェイン(以下ジザメリ)が『サイコキャンディ』のリリース30周年を記念して、同アルバムの全曲再現ライヴをやると聞いた時は、あの衝撃から30年も経つのか、はーと思わずため息をついてしまった。30年って何だよ、30年って。はぁ。

轟音ギター、あるいはギターの轟音ノイズなんて言葉が音楽を語る時、普通に使われるどころか、ノイズポップなんてジャンルがロックの世界に定着している今となっては、ノイジーなギターとポップメロディーの組み合わせなんて、もはや珍しいものではないかもしれない。しかし、30年前、UKインディチャートでNo.1になったデビューシングル「アップサイド・ダウン」と、その1年後にリリースされたこの『サイコキャンディ』で、ジザメリが奏でたギターの轟音ノイズは、それまで誰も聴いたことがない驚くべきものだった。彼らはそれを60年代のポップソングを思わせる甘いメロディーとともに轟かせたのだが、そんな連中、それまでいなかった。いや、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやラモーンズがいたかもしれない。しかし、彼らよりもさらにノイジーにギターを鳴らしたという意味で、ジザメリは新しかった。

テクニックがなかった当時の自分たちが誰もやっていないようなことをやるには、それしか方法がなかった――。そんな理由から彼らが鳴らしたチェーンソーが唸っているようにしか聴こえないノイズギターがどれだけ衝撃的だったか。それが珍しいものではなくなってしまった今となっては、その衝撃の大きさを伝えることは難しいが、学校からの帰り道、毎日、輸入レコード店に通い、やっと入荷した『サイコキャンディ』を早速手に入れ、初めて家のステレオでかけた時、いきなりギーギーと鳴り出したステレオの前で、放心している息子を見て、「この子はぶっ壊れたステレオの前で一体何をやっているんだ?!」と両親が慌てたと書けば、彼らが鳴らしたノイズがどれだけ常識外れのものだったかが、ちょっとマヌケで微笑ましい親子関係とともに分かってもらえるかもしれない。

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最終更新:2/10(日) 18:00
OKMusic

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