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悲しみ癒えぬまま 運航再開へ加速 遺族会動きだす 防災ヘリ墜落から半年

2/10(日) 6:02配信

上毛新聞

 群馬県防災航空隊員ら9人が亡くなった県防災ヘリコプター「はるな」の事故から半年。ヘリの運航再開に向けた動きは加速し、一部の父母は遺族会を結成したが、大切な家族を失った心の傷は癒えない。

 ヘリが墜落した中之条町の山中。深い雪が辺りを覆う。季節が夏から秋、冬へと移り変わっても、遺族の悲しみが薄れることはない。「寝ても覚めても息子のことが頭に浮かぶ。耳鳴りや腹痛があり、夜もよく眠れない」。遺族の男性は声を絞り出し、つぶやいた。

 昨年12月、搭乗していた隊員の父母12人が遺族会を結成した。県や運航委託先の東邦航空(東京)に対し、墜落現場への登山道の整備や早期の原因究明、親への経済的な補償などを求めていく方針だ。会長を務める田村富司さん(78)=同町=は「事故発生から気持ちが落ち着く日がない。尊い命を失った遺族の心の傷に思いを寄せた対応を求めたい」と話す。

 一方、防災航空体制の再構築に向けた動きは加速している。県は新年度、群馬ヘリポート(前橋市)に「防災航空センター」を新設するほか、新たな機体の導入に向けて2月補正予算案に関連費用を計上。2021年の運航再開を目指す。

 「防災航空体制のあり方検討委員会」の提言を踏まえ、機体導入後は訓練を経て難易度の低い任務から順次、活動を再開していく。大沢正明知事は今月7日の記者会見で、「二度と(同じような)事故が起きないよう、管理体制もしっかりやっていきたい」と決意を口にした。

 事故後、県内で発生した山岳遭難や水難事故、林野火災計16件は、近隣の栃木、埼玉、山梨各県の防災ヘリに出動を要請した。はるなが担っていた傷病者の運送など、ドクターヘリ的運用の再開は新機体の導入を待つことになる。ある消防関係者は「現状では大きな問題はない。ただ、地元の地理に精通した防災ヘリであれば、連携がよりスムーズになる」と指摘する。

 事故原因を巡っては、国の運輸安全委員会が詳しく調べているほか、県警も業務上過失致死容疑で捜査している。

最終更新:2/10(日) 6:02
上毛新聞

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