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姫路沖で複数社が火花「家島諸島航路」 競合ゆえの利便性と「落とし穴」、その将来は

2/10(日) 11:00配信

乗りものニュース

家島行きと坊勢島行き、どちらも2社が独立して競合

 兵庫県姫路市の沖合およそ18km、播磨灘に浮かぶ大小44の島々を家島諸島と呼びます。行政区域としては各島とも姫路市に属し、4つの有人島に約6000人が生活。採石業や造船業、海運業が盛んな家島と、兵庫県でもトップレベルの漁獲高を誇る坊勢(ぼうぜ)島が代表的な島です。

【写真】4社がひしめく家島諸島航路、こんな船で運航

 家島と坊勢島へは、姫路港から船を利用します。家島へは、島の中心地である真浦港を経て宮港まで「高速いえしま」と「高福ライナー(「高」ははしご高)」の2社が、坊勢島へは「坊勢汽船」と「輝(ひかり)観光」の2社がそれぞれ運航。同一航路で複数社が並立する場合、「共同運航」という形が採られることがありますが、ここでは各社が独立して運航し、競合しています。

 では、各社どのような違いがあるかというと、使用する船舶のほかは、坊勢島への航路で坊勢汽船の便が一部、途中で男鹿島(たんがじま)へ立ち寄るのに対し、輝観光は全便が直行する、という程度です。なお、もうひとつの有人島である西島へは、兵庫県立の自然体験センター利用者向けに坊勢汽船と輝観光が坊勢島から延長運航しますが、定期便はごく限られます。

ダイヤは便利だが「乗船券は別々」という落とし穴

 2019年1月現在、姫路~家島間には2社合わせて15.5往復、姫路~坊勢島間には同じく14往復(うち4往復が男鹿島経由)が運航され、どちらも土日などには1往復増便されます。島からの始発便は6時過ぎ、姫路発の最終便は20~21時台と、本数、運航時間帯ともに地方の交通機関としては比較的便利なほうでしょう。どちらも競合路線ながら、運航ダイヤは共同運航のように各社で時間が近接しないよう割り振られており、運賃も同額です。

 姫路港では、ターミナルビルで乗船券を購入します。各社のダイヤは前述のとおり調整されており、方面別に出航時間と社名が大型ディスプレイで表示されるものの、乗船券の共通利用ができないことが、各社の「競合」を物語っています。つまり、直近の船がどちらの会社かを確認したうえで、その運航会社の券売機で買う必要があるのです。

 割引のある往復乗船券も設定されていますが、当然ながら帰りも同じ会社の便を利用することになるため、島を出る時間がはっきりしない場合は不向きです。これは島で乗船券を購入する場合も同様。共同運航という形態を採っていないがゆえの、意外な「落とし穴」かもしれません。

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