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中島翔哉はカタール経由でPSGに行けるのか?

2/10(日) 11:18配信

日刊スポーツ

1月の移籍マーケットに関しては、想像を上回るほどの大型移籍は行われませんでした。また前回述べたようなトレード型も行われず、結果的には大きな動きは少なかったと言えます。

【写真】中島をホテルのロビーで見送る森保監督

この背景には、確実ではありませんが、やはりFIFAファイナンシャルフェアプレー(FFP)の影響があったと考えられてもおかしくはありません。現場からは多くの移籍話が浮上したものの、そのほとんどが金額面で折り合わなかったという話が多く聞こえてきたのは事実ありました。

その中で1つだけ驚くニュースがありました。中島翔哉選手のカタール・アルドハイルへの移籍です。その金額は30億円とも40億円とも言われておりますが、この裏には大きな政治の動きとビッグクラブの思惑があるように感じます。今回はそのビッグクラブの思惑、そして日本からは見えにくい部分を整理してみたいと思います。

今回の移籍を裏にいると言われているのはフランス・パリを拠点に置くパリサンジェルマン(PSG)です。デロイトによると2017~18シーズンを終えてレアル・マドリード、バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン、マンチェスター・シティに次ぐ6番目の売り上げを誇り、その額は約700億円になります。約58%がマーケティング収入、24%が放映権、そして残りの18%がチケットなどの試合関連と報告されておりますので、全体的にはマーケティング面に力が割かれているように感じます。

クラブ設立は1970年と比較的新しいクラブで、現在ではカタールのスポーツ投資会社と呼ばれるカタールの投資庁の子会社がクラブを保有しており、実質カタールの国が運営していると言っても良いかもしれません。現在そのカタールは周辺国であるサウジアラビアやUAEと政治的な理由から国交を断絶している状況にあり、先日行われたアジア杯決勝もカタール人のサポーターはUAEに入国することが許されていないという報道があったほどです。

実際のところ、そのメインスポンサーがUAEの国営航空会社でもあるエミレーツであることは少し奇妙に感じますが、混沌(こんとん)としていることは間違いありません。

そしてその財源は一体どこからなのか? と疑問になりますが、カタールは世界で一番裕福な国であるとされており、1人当たりの国内総生産(GDP)は日本が4万ドル(約440万円)と言われているところその3倍を超える13万ドル(約1430万円)にもなると言われています。

私もレアル・マドリード大学院の同期が1人いるのですが、市民は多くのサービスが無料で受けられるどころか国から大学卒業祝いとして土地が用意され、夏は暑いので外出できない代わりに、補助金として給与同額の金額が支給されるなど、想像をはるかに超える裕福さになります。

裕福であるのは当然オイルマネーであるのですが、そのお金でPSGが運営されており、アルドハイルと同資本で関係者が多くいることを考えると、中島選手の将来はPSGが見えてくるのは当然かもしれません。

しかもそのPSGは先ほどマーケティング面での売り上げ割合が高いと述べましたが、世界的にマーケティングを仕掛けており日本にもその影は迫っております。

先日も16歳の日本人選手が2名下部も組織に加入しました。日本でのアカデミーやキャンプの実施を検討し、さらには日本企業をスポンサーとして招致する動きを見せるなど活発になってきております。

こうした世界的な規模でのマーケティング活動が大きな売り上げを作り出していることを考えると、わずか50年で700億近くも売り上げるクラブを作り上げてしまうその力は本当に大きいものであると感じます。

中島選手のPSGへの移籍を含め今後の活動に注目されます。【酒井浩之】

(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「フットボール金融論」)

最終更新:2/10(日) 17:46
日刊スポーツ

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