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中国で商業化されるペットのクローンは、技術の乱用だ

2/10(日) 11:05配信

東方新報

【東方新報】一部メディアの報道によると、ペットのクローン作製が盛んになってきている。上海でぶどう酒の商売をしている張玥演(Zhang Yueyan)さんは、亡くなったばかりの愛犬「妮妮(Ni Ni)」をしのんで、38万元(約617万円)を投じて「妮妮」のクローンを作った。

「妮妮」は、クローン犬の第1号ではない。その前にも「乖乖(Guai Guai)」「兜兜(Dou Dou)」や「果汁(Guo Zhi)」などのクローン犬が誕生している。

 韓国の研究者チームは2005年4月、「スナッピー(Snuppy)」と名付けた世界初の「体細胞クローン」を作り出した。また近年、ペット市場の拡大に伴って動物のクローンが商業化されている。韓国のある企業は、すでに1200匹を超えるクローン犬を世界各国に提供しており、2014年には中国市場にも進出した。

「妮妮」を張さんに提供したのはある中国企業で、1~2年で300匹のクローン犬を作り出すことを目標に掲げ、2018年下期ですでに30件の注文を得ている。同社は、次は猫や馬などの動物のクローンを作製しようと計画している。

 禁止されているクローン人間の作製とは異なり、各国でペットクローンへの明確な規定はない。しかしクローン人間と同じような倫理問題が、論争の的になっている。米誌フォーブス(Forbes)は、これまで7年間続けて発表している「今年注目すべき倫理政策問題に関わる科学技術10項目」の今年の項目トップに、ペットクローンを掲げた。

 1匹のクローン犬が飼い主の愛情欲求を満たすことはできる。しかしたくさんの犬からの卵子の採取と、代理懐胎が必要とされ、クローン犬の卵子を宿し育てる犬は苦しい生活を強いられ、体を傷つけられる。韓国企業がクローン犬「スナッピー」の作製に成功した時は、1000個の胚盤胞を使い、それらを123匹の代理懐胎犬の体内に植え付けた。

 現在、ペットクローンの手術のプロセスや操作方法には、相応の基準が欠けている。クローン技術は未熟なため、クローン動物の一部には先天的な欠陥や免疫問題があり、動物の本来持つべき「権利」に対する脅威となっている。

 一部の学者は、倫理の最低限のラインを誰かが突破し、ペットクローンの技術を人間に応用するのではないかと恐れている。これは明らかに「杞憂」ではない。

 『2018年中国ペット産業白書』によると、18年の中国ペット産業の市場規模は1708億元(約2兆7700億円)に達し、17年比で20.5%成長した。それによると、飼い犬の市場規模は1056億元(約1兆7000億円)、飼い猫市場は652億元(約1兆500億円)、中国の都市で犬や猫を飼う人は5648万人に達している。犬や猫を飼う人の増加に伴い、市場規模は引き続き拡大する様相を見せている。同時に、ペットクローン技術の絶え間ない進歩によりコストが下がることで需要が高まり、潜在的な問題が明らかになってくると考えられる。

 ペットクローンはすでに商業化の道を歩み始めたが、それに対する管理・監督はまだ白紙の状態だ。政府は市場の発展に即し、ペットクローン商業化に対応する管理基準をできるだけ早く明確にすべきである。ペット愛の名のもとに動物の権利を侵害することは避けるべきで、さらに避けるべきはペットのクローン化技術の乱用である。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:2/10(日) 11:05
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