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イラン浸透、混迷に拍車=覇権争いで周辺国と対立

2/11(月) 6:55配信

時事通信

 【テヘラン時事】イスラム教シーア派の大国イランは1979年のイスラム革命の後、中東イスラム諸国への「革命の輸出」を掲げ、少数派として抑圧に苦しむシーア派の支援と決起を訴えた。

 今やその影響力は内戦下のシリアやイエメン、レバノンなどに浸透。イランの覇権拡大を警戒するスンニ派の盟主サウジアラビアや、イランを敵視するイスラエルとの対立激化が中東混迷の要因の一つとなっている。

 スンニ派だった隣国イラクのフセイン大統領(当時)は革命翌年の80年、イランの脅威に対抗して奇襲を仕掛け、両国は88年まで不毛の戦争を続けた。フセイン政権崩壊後、イラクではシーア派主導の政権が誕生。両国は政治、経済で結び付きを深め、イラクは今ではイランの主要な輸出相手国となった。

 イランは、イラクやシリアを経て地中海に面するレバノンへと通じるシーア派の影響力の濃い「シーア派の弧」の強化を重視する。このため、シリア内戦に介入し、アサド政権を軍事面で支援。政権が内戦での優位を固めた結果、イランの存在感は格段に増した。またレバノンでは、米国が「テロ組織」に指定するシーア派組織ヒズボラの後ろ盾として影響力を強めている。

 こうした現状にイスラエルやサウジは危機感を募らせる。イスラエルはシリア領内のイラン拠点を繰り返し空爆、イランの排除に躍起だ。サウジの実力者ムハンマド皇太子は、イラン最高指導者ハメネイ師を「中東における新たなヒトラーだ」と非難。サウジの隣国イエメンで、イランが支援するシーア派系武装組織フーシ派の掃討を画策しているものの、戦闘が泥沼化し人道危機を招いている。

 さらに、イランが国際社会の非難を無視して弾道ミサイル開発を継続していることも批判の的だ。欧州連合(EU)は今月4日の声明で、イランが軍事、財政支援を通じて中東の緊張激化に関与していると懸念を表明。特に、ミサイルの射程延伸と精度強化の推進が「不信を深め、地域の不安定化を招いている」と指摘している。 

最終更新:2/11(月) 19:02
時事通信

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