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会員からは「小(S)中(C)高(K)校生倶楽部」…少女たちの心に入り込んだ男の手口

2/11(月) 20:00配信

産経新聞

 SNSで知り合った少女にわいせつな行為をし、その様子を動画撮影して販売したとして大阪府警が児童ポルノ愛好者グループを摘発した。主犯格の男(41)は、小中学生が好む着せ替えアプリやチャットアプリを駆使し、自身を10~20代の男性と偽って相談に乗るなどして少女を誘い出していた。府警は、小学6年~高校2年の少女12人を保護したが、警察が接触するまで少女は誰にも被害を打ち明けずにいたという。少女の心に入り込んだ男の手口とは-。

 ■20代装い、LINE

 静岡県に住む小学6年の女児=当時(12)=の着せ替えアプリのアカウントに、「20代」という男が接触してきたのは平成29年7月。アプリ内でアニメなど趣味の話をするようになり、男は「(やりとりを、無料通話アプリ)LINEにかえよう」と提案してきた。

 やり取りの場がLINEに移ると、男はプライベートな質問に踏み込んできた。「いくつなの?」「小6?」。女児はしばらく無視したが、しつこさに負けて素直に答えると、男は本性を現すように。「いやらしい写真を送ってほしい」。いったんは断った女児だが、あまりのしつこさに、裸の写真を送ってしまったという。

 やり取りしていたのは伊佐川昭一被告(41)=児童ポルノ禁止法違反罪などで公判中。「夏休み中に会おうよ」と約束させ、同年8月に当時住んでいた北九州市から、女児の住む静岡県まで赴いた。

 ■児童ポルノファイル3万点

 「20代と聞いていたのに、お父さんみたいなおじさんだった」。女児は伊佐川被告にこんな印象を抱いたが、一緒にショッピングモールのゲームセンターで遊ぶなどした。夕方、自宅近くで女児と別れた伊佐川被告は、すぐに女児にLINEを送った。「明日、朝から会えるかな?」

 翌朝、女児を乗せた車は、そのままホテルに向かった。伊佐川被告は室内に三脚とビデオカメラを持ち込み、ベッド近くにセットすると、突然、女児を抱きしめた。

 服を脱がされそうになった女児は抵抗したが、行為は止まらなかった。「気持ち悪くて恥ずかしくて、すぐにやめてほしかった」。女児は伊佐川被告との連絡を絶ったが、誰にも被害を言えずにいたという。

 その後、別事件の捜査で伊佐川被告のパソコンから女児の画像が見つかり、被害が発覚し、伊佐川被告は逮捕された。女児は府警に「最初は暇つぶしでやりとりしていた。家にいても息苦しく、家にいたくなくて会ってしまった」と話しているという。

 この女児のほかにも複数の少女らにも近づいて同様の行為を繰り返し、その様子を撮影していた伊佐川被告。アダルトサイトに動画のサンプルを投稿し、希望者に販売していたといい、府警は自宅のパソコンから児童ポルノ動画が入ったファイル約3万点を押収した。

 ■「オリジナルは高値で売れる」

 「SCK倶(く)楽(ら)部(ぶ)」

 伊佐川被告は、ネット上で購入希望者との間で愛好者グループのようなものを形成していた。本人は「SCK」を「スーパー・キュート・カワイイ」の略称だと府警に説明したが、会員からは「小(S)中(C)高(K)校生倶楽部」と言われていたという。

 伊佐川被告は入会希望者に、運転免許証と携帯電話番号のほか、所有している児童ポルノ動画を送らせていた。会員になれば、1本20~30万円で売っていた。

 「目の肥えた児童ポルノコレクターはサンプルを見れば(出回っていない)オリジナルであることが確実に分かり、集客力があった」と伊佐川被告。会員は約20人で、平成29年6月ごろから約900万円を売り上げていたという、

 逮捕後、「自分も小学生が好きで、高値で売れるので、趣味と実益を兼ね備えていた。ロリコンにとったら、小学生のオリジナル動画はいくら金をつぎ込んでも手に入れたいくらいの宝物」と話したという。

 府警は一連の事件で、伊佐川被告を、児童ポルノ禁止法違反などの容疑で計7回逮捕したり追送検したりした。さらに、SCK倶楽部の会員の男2人を同容疑で書類送検し、伊佐川被告に児童ポルノ動画を販売していた住所不定の男ら2人も同容疑などで逮捕し、小学6年~高校2年の少女12人を保護した。

 ■心に傷を負った少女たち

 捜査関係者によると、伊佐川被告が少女を物色するのに使っていたのは、スマホの着せ替えアプリ。キャラクターに自分の好きな服装をさせることができ、利用者同士で会話をしたり、アイテムを贈り合うことも可能だ。

 伊佐川被告は以前、出会い系アプリを利用していたが、年齢制限があり子供が登録できないのを理由に、年齢制限のない着せ替えアプリに目をつけたという。大学生や20代を装い、「ゲームの話をしたり、アニメの話をしたり、相手によって話を変えていた」という。少女の話に親身になる振りをして「かわいいね」「ぜひ会いたい」と伝え、少女の心に入り込んでいった。

 伊佐川被告は府警に、「普段誰にも言えない悩みを抱えているような子もおり、親身になって相談に乗ってあげることで、なくてはならない存在になることができる。女の子たちは、見捨てられたくない一心からどんな要求にも応えてくれるようになる」などと取り入る手口を供述したという。

 被害に遭った少女らは捜査員に「記憶から早く消したい」「動画が拡散したらショックで考えるだけで吐き気がする」などと話し、精神的なショックから専門家のカウンセリングを受けている少女もいるという。

 捜査関係者は「知識がない子供につけ込み、だまして誘い出している。少女らの心の傷は深く、本当に許せない事件だ。子供たちもネットで知り合った人と安易に会ったりしないでほしい」と憤った。

最終更新:2/11(月) 20:00
産経新聞

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