ここから本文です

インスタ映えしない「ボロ宿」に愛を感じる…テレ東「日本ボロ宿紀行」原案者に聞く

2/11(月) 17:10配信

DANRO

ボロ宿、それは決して悪口ではない。歴史的価値のある古い宿から驚くような安い宿までをひっくるめ、愛情を込めて「ボロ宿」と呼ぶのである――。今年1月から放送されているテレビドラマ『日本ボロ宿紀行』(テレビ東京系)の、冒頭に流れる言葉です。

【画像特集】素敵なボロ宿たち~『日本ボロ宿紀行』より~

このドラマの「原案者」である上明戸聡(かみあきと・あきら)さん(58歳)は、2010年ごろ同名のブログを始めました。上明戸さんが愛する「ボロ宿」とは、具体的にどんな宿を指すのでしょうか。そして、なぜいま「ボロ宿」が注目されつつあるのでしょうか。上明戸さんに聞いてみました。

本業は、ビジネス誌などで執筆するフリーライターという上明戸さん(ちなみに、この珍しい名字は本名だそうです)。取材のために日本各地に出張する機会が多く、そのついでに訪ねた「ボロ宿」は、350を超えるといいます。(土井大輔)

古い宿には「生きている感じ」がある

ーー上明戸さんのいう「ボロ宿」とは、どういった宿をいうのですか?

上明戸:「古くて、個性のある宿」でしょうか。伝統ある旅館もあれば、木賃宿みたいなものも入ってくる。すると、それらに共通して使える言葉ってなかなかないんです。「ノスタルジックな宿」みたいな、当たり前の表現になってしまうんですよね。

ーーそんな「ボロ宿」の、どんな部分に惹かれているのでしょうか。

上明戸:歴史的とまでいわなくても、終戦直後くらいからやっているような、ちょっと寂れた宿がちゃんと営業していると、「生きている感じ」があるんです。たとえば、宿にオヤジがいて、頑張っている。お金がなくて手がまわらなくて、直すべき場所を直せてなかったり、宿泊費が安いのに一生懸命食事を作ってくれたり。そういうところに「愛」を感じるんですよ。

ーー「インスタ映え」とは逆ですね。

上明戸:映えないです。見た目に良さそうだなっていう宿もあるにはあるんですけど、少ないですよ。綺麗な宿は商売的にも苦労していなかったりしますね。本当はそういうところも泊まりたいですけど、優先順位としては低いです。

ーーなにか、きっかけとなった宿があるのですか?

上明戸:それはかなり昔の話で。学生のころ、よく貧乏旅行をしてたんですよ。なるべく安いところを探して泊まるなかで、盛岡市(岩手県)の元は遊郭だった旅館に泊まったんです。そこが小じゃれた造りになっていて「面白いな」と思ったのが、記憶にあるものとしては最初ですね。

ーーその旅館は、いまも営業しているのでしょうか。

上明戸:駅前自体が変わったので、もうないですね。そのときは予約をして行ったわけじゃなくて、案内所で教えてもらったんだと思います。地方では駅前の再開発が進んで、若いころに行ったところが変わったり、なくなったりしている。そんなことを思い始めたのが、30代なかばのころでした。

出張のとき、うまくいくようなら、そういう宿に泊まるようになって。もともと古い温泉場とか湯治場が好きだったというのもあったので。だから、あらためて「これをやろう」と思って「ボロ宿紀行」を始めたわけじゃないんですよ。なんとなく好きで、なんとなく始めた。ブログも人に見せるというよりは、自分のための記録という意味合いで。

1/3ページ

最終更新:2/11(月) 20:33
DANRO

あなたにおすすめの記事