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カラーでよみがえる戦時中の日本。あの時代にも、笑顔はあった

2/11(月) 15:52配信

BuzzFeed Japan

こんな写真がある。女学生たちが草むらで何やらレッスンを受けている。手に持っているのは、銃だ。色合いは豊かでも、そこに写っている人たちはどことなく、今の私たちと違う雰囲気をまとっている。それもそのはずだ。これらの写真はどれも、80年近く前に撮影された「戦前」のものだから。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

【写真】カラー化された戦時中の写真

こうした写真をネット上にアップしているのは、「信州戦争資料センター」だ。

長野県内に住む5人の有志が集まっている運営している。「センター」というが場所ではなく、年に一度の展覧会やブログ、Twitterでの情報発信が活動の中心だ。

代表の男性が会社務めをしながら、戦時下の庶民の資料収集を続けており、現在4500点あまりの資料を所蔵しているという。

センターでは、集めた資料写真のカラー化を進めている。早稲田大のチームが公開している人工知能(ニューラルネットワーク)で自動色付けをを行い、さらに手動で補正を加えているものもある。

男性は、BuzzFeed Newsの取材にこう語る。

「戦争において一番影響を受けるのは庶民だということを将来に伝えたいと思い、資料収集を始めました。美化や歪曲がなされていない、戦時下の本当の姿に関心を持っていただきたいと、発信を続けています」

実際、私たちの想像力をくすぐる写真も多い。たとえばこの写真は、1931年の満州事変に長野県から出動した、松本歩兵第50連隊の兵士たちだ。

松本市にあった連隊の酒保でリラックスしたひとときを楽しむ兵士たちの姿が、写っている。一方、同じ部隊のアルバムには疲れ果てた青年たちが、屋外で眠りを貪っている様子も収められている。

これは、銃弾が命中した鉄兜や装備。亡くなった人物のものかはわからないという。さらに、弾痕が付いた鉄兜を手にする兵士の写真もある。

男性は、カラー化が「過去を現代に近づける一つの道」と語る。

「自分自身、過去の写真がカラーになることで、現代と過去は地続きであり、過去も確かにそこに息づいていた人たちがいたという、当たり前のことに新鮮な驚きを感じました」

「過去にあったことを伝える場合、そこに現代との断絶があっては、それぞれの人が過去を自分の身に引き寄せて考えることはできません。カラー化は、過去と現代の橋渡しになると意義を感じています」

カラー化を始めたきっかけは、AIによる色付けで「記憶の解凍」に取り組む東京大学の渡邉英徳教授のTwitterだった。

早稲田大のチームが公開している人工知能(ニューラルネットワーク)による自動色付けをし、手動補正を加えているものもある。

今後も折を見てカラー化や発信をしていきたいという。男性はこう、言葉に力を込めた。

「過去を知ることは、次の危機を防ぐことにもつながると思っています」

そのほかの資料などは、随時同センターのブログやTwitterで公表されている。

最終更新:2/11(月) 17:26
BuzzFeed Japan

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