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労働が自動化しても利益は企業へ。じゃあリストラされた人たちはどうなるの?

2/11(月) 8:11配信

ギズモード・ジャパン

自動化は「勝手に進む」んじゃなくて「進められてる」。

ダボス世界経済フォーラムで提出されたレポートでは「政府が税金を投入して自動化によって生まれた失業者の再教育をする必要がある」と提案しています。パッと聴くと納得しそうな表現ですが、米GizmodoのBrian Merchant記者は「ビジネス経営者たちの視点から提唱されている内容であることを忘れてはいけない」と警鐘を鳴らしています。

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労働のマシーン化、自動化が進む中で何度も繰り返されてしまう誤った認識があります。「自動化は顔の見える人間の仕業ではなく、ただ我々人間たちは抗う術なく適応しようと、もがくしかない」というものです。この認識は技術決定論がもっともアグレッシブに現れたものであり、一般的には大きな誤りと言い切れます。

自動化を推進するのは企業のえらい人

これまでも書いてきたことですが、自動化は実際には人々の意思決定の結果行われています。人々とは主に、大企業のエグゼクティブであったり管理職の人々です(必ずしもそうとは限りませんが)。自動化が一般的にどのような方向に向かって進むかを決めているのは、一つは自動化の採用を考えている雇用主、もう一つは実際に自動化された職場で働く従業員です。リソースと権限を持っている人々の中には「自動化したい」という衝動は存在するでしょう。しかし決して運命のように予め決められたものでは無いのです。

これは重要なことです。というのも「自動化は抗うことが出来ない必然だ」と設定することで、ダボスで行われた世界経済フォーラムのレポートのような提案が出てくるからです。世界経済フォーラムでは、世界でもっとも裕福なエグゼクティブたちや、TEDトークに登場しそうな”リーダー”たち、そしてこういった人物たちを寵愛する政治家たちがスイスに集まって、経済政策をフォンデュでも食べながら語っているのです。

リストラされた労働者の教育は政府の責任

経済フォーラムで出されたレポートによると、「アメリカにおける全体47億ドルの投資を通して、民間市場は職を失った労働者のうち25%に技能再教育を行い、コストと収益のバランス面でも意義のある再雇用を行うことができる」だろうとのこと。

このレポートによると、残りの75%の労働者の技能再教育の責任は政府にあり、そのコストは199億ドルにものぼるそうです。

自動化の波の中で生まれる失業者たちに技能再教育を行うこと自体は、とても良い行いのように聞こえます。世界経済フォーラムのマネージング・ディレクターであり新経済と社会のためのセンター(the Centre for the New Economy and Society)の責任者でもあるSaadia Zahidi氏はプレスリリースで「あらゆる経済において、誰が失業者と技能再教育のコストを支払うのかという命題はますます緊急性を高めています」と述べています。

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